たまごのなかみ

千葉県北西部在住。映画・観劇、近隣のこと。毎日 元気に機嫌良く♪

監督としての手腕や如何に...

2006年10月11日 01時57分46秒 | 観る
カンヌで酷評され、デップ 大いに傷つく。

『ブレイブ』(DVD 10/5)
制作国:アメリカ(1997年)
原題:THE BREAVE
監督:ジョニー・デップ
原作:グレゴリー・マクドナルド
脚本:ポール・マッカドン、
   ジョニー・デップ
   D・P・デップ
音楽:イギー・ポップ
出演:ジョニー・デップ
   マーロン・ブランド
   エルピディア・カリーロ
   マーシャル・ベル
   フレデリック・フォレスト
   クラレンス・ウィリアムズ三世
   マックス・パーリック
   フロイド・レッド・クロウ・ウェスターマン
   イギー・ポップ

妻と二人の子どもを抱えたネイティブアメリカンのラファエル...幾度も重ねた犯罪歴と人種差別から仕事も無く 酒に溺れる日々。居を構えるゴミ山の梺は、大企業に買い占められ 立ち退きは目の前...。

二進も三進もいかない そんなラファエルに舞い込んできたのが スナッフ・フィルムへの出演。すなわち、拷問を受けながら死に逝く様を撮らせる..という仕事。命の対価は、5万ドル。家族と過ごす為に残された時間は 一週間。

確かに、あまりにもただただ時間の過ぎていくシーンが多かったり、若干 説明不足という感は あるのですが、‘カンヌで酷評’というのは どうも解せません。どちらかというと、米国内ではウケが悪くても カンヌで認められそうな作品であるし、私は いい映画だと思うのですョ。

「ジョニー・デップって どうもマスコミと折り合いが悪い時期が長かったみたいだし、必要以上に叩かれてたんじゃないの?」と、作品を観もしないで 殿が申します。そういう経緯(いきさつ)もあったかもね...。

死を見据えてからのラファエルは、その時から初めて家族と向き合ったかの様でもあり 子ども達や妻の将来を真面目に考えます。そこまで家族のことを思いやれるなら 何故もっと早く 何故もっと違う方法で家族を守ろうとしなかったのだろうか...と 悔やまれてならないし、こんなに根が真面目なら いくら悪い仲間がいても 犯罪を繰り返すことはなかったんじゃないか...いやいや ネイティブ・アメリカンの悲惨な状況というのは そんなモンじゃないのかも...とか まぁ いろいろ感慨深い 考えさせられる作品です。わたくし、かなりラファエルに入れ込んで観てしまいました。

ただし、ラファエルの取った道は 決して正しいとは思えません。いくら家族のためとはいえ 自分の命を売ったりして、そんなの ラファエルの死後 子ども達が傷つくのは目に見えています。だけど この映画は、そんなラファエルの生き方を‘これぞ勇気! これぞ男の道!’と 肯定したり 称えたりというわけでもないと思うのです。間違った生き方(死に方?)だけど、そうせざるを得なかった或るひとりのネイティブを描いた...そんな作品だと思うのです。

妻のリタ(エルピディア・カリーロ)と岩山に登り 夕日を背景に抱き合うシーンの なんとも美しいこと☆ 
そして、マーロン・ブランドが 静かに怖い依頼人を怪演しています。
「激痛を伴って死ぬ時、その人の究極的な勇敢さが分かる」
「死がついに我々の肉体に訪れ、最初で最後の訣別をする時、我々は勇気があれば死を歓迎できる」
「君のような精神や文化、正直さを持った者は、金を持って逃げはしない」
こ・怖い...。

そうそう、映画の脈絡とは関係もないのに 鶏肉をほおばる男をカメラが熱心に押さえます。だって、イギー・ポップだから♪


今日は、お友だちと『フラガール』を観てきます (*^_^*)
コメント (4)
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