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ローマ法王退位

2013年02月15日 | 時事
ローマ法王、28日に退位=600年ぶり、高齢で決断―後継者、3月末にも選出
ローマ法王が退位することは、歴史上非常に稀な出来事のようです。

法王と言えば、キリスト教のカトリックの最高位にいる人物です。“王”とついていますが、それぞれの国の最高指導者は枢機卿といいますから、全ての国の信仰を司ると言う意味では、冊封体制の頃の中国皇帝のような立場なので、教皇といった方が適切なのかもしれません。カトリックの神父には、教皇-枢機卿-大司教-司教-司祭という階級が存在します。
少し考えると、「神の下に平等」であるはずのキリスト教にとって、階級があるというのは不思議な制度のように思いますが、キリスト教の正典である「聖書」は昔書かれた物ですから、当然聖書にない事態になったときに「聖書を解釈する人」が必要になり、色んな人が色んな解釈をすると仏教のように宗派がいくつもできてしまうので、その解釈権をある1人に任せたのが教皇となった模様です。ちなみに、「階級があるなんておかしい、聖書に書いてないじゃないか。」と言って独立したのがプロテスタントで、カトリックの神父と違い、プロテスタントの牧師には階級がありません。解釈権もそれぞれにあるため、プロテスタントにはいくつか宗派があるわけです。

今でこそ聖書は誰でもどの国でも読めますけど、昔は古代ローマのラテン語でかかれたものしかなく、神父と言えども皆が読めたわけではなかったようで、教皇に「神様はこう言っている」と解釈されたものは絶対的なものとされたわけですね。免罪符のような歴史を動かした愚作もありましたけど、基本的に頭が一つであることは組織維持にとって必要な体制の一つであるといえるでしょう。
つまり「高齢だから辞める」といえるのも、また教皇の特権であるといえるでしょう。もしかしたら、今後も法王は今の天皇のような終身制でなく、昔のように自由に退位できるシステムになっていくのかもしれませんね。そうすると、ひょっとしたら「上皇」のような立場になる教皇が現れ、カトリックもまた派閥が分かれていってしまうかもしれませんな。