月と歩いた。

月の満ち欠けのように、毎日ぼちぼちと歩く私。
明日はもう少し、先へ。

飲み食いできなくなった原因は?

2022-08-09 | 生活
昨日は大腸内視鏡(カメラ)検査だった。7月末にやるはずだったのが急性胃腸炎により延期されていたが、なんとか無事に終わった。
結果から言えば、ポリープが1つあり、検査中に切除してもらった。
わずか4mm程度のもので、生検に出してはいるが、悪性である可能性はほぼない、とのこと。
その他にも悪いところは見つからず、がんの転移などはなかった。
とりあえずホッとした。

画像も見せてもらいながら説明を受けた。
ポリープは小さかったけれど、血止めのクリップが付けられていたので、血が出やすい場所だったのかもしれない。このクリップはいずれ勝手に排出されるらしい。
3日間は消化の良いものを食べ、刺激物やアルコールは禁止。1週間は遠出や激しい運動は禁止。とりあえず「安静に」ということだ。
一応「手術」なので、19000円もした。保険の対象になっているか調べてみよう。

大腸カメラの経験者、何人かから「検査は寝ている間に終わるけど、それまでの便を出す前処置がつらい」と聞いていたので、覚悟していたのだが、ハードルを上げていたからか、私はそれほどつらいとは思わなかった。
前日、消化の良いものを食べるようにする。夜8時以降は何も食べない。寝る前に便をやわらかくする下剤を飲む。
当日朝、8時から、薬の入った大きなビニールパックに水を1800ml注ぎ、大量の洗浄剤(下剤)を作る。これを1時間かけてゆっくり飲むと、30分くらい経ったら便が出始め、何度か排便していくうちに、固形物や濁りが一切ない、薄い黄色の水しか出なくなる。そうなったら終了。

私は朝起きるとすでに便意があり、1800mlを飲む前からほとんど便が出ていた。
なので、全量を飲むこともなく、飲み始めてから2時間以内には終了した。
下剤もまずいのかと思っていたら、なんということはない。色も味もポカリスエットだ。ごくごく飲めた。
普段から便秘気味の人は、なかなか出なくて、それがつらいようだ。あと、看護師さんに聞いたら、世の中に出回っている下剤は2種類あって、私が飲んだのは比較的飲みやすいものらしい。もう1つは味がまずくて飲むのがつらいとか。そっちじゃなくてよかった。

しかし、「寝ている間に終わるからラク」というのはちょっと違った。
前回の胃カメラの時は爆睡していたのに、今回は処置中に私はかなり意識があった。
後で先生が言うのには、「腸が少し複雑な形をしていて、なかなか通らなかったので、痛かったかもしれませんね」とのこと。
看護師さんも「痛かったでしょう。何度も顔がつらそうだったので」と気遣ってくれた。
意識があると言っても、かなりボーっとした状態で、まさに夢うつつ。夢か現実かわからない状態の記憶という感じなのだが、「痛い、痛い」と思っていたのは確かだ。
終わってからも、胃カメラの時は勝手にソファに移動させられていたが、今回は意識があったからか、自分で立ち上がって支えられながら移動した。
でも、相変わらず、じろう先生も看護師さんも優しかったので、変なストレスなどは一切なかった。

これで検査はすべてクリア。
結果的に、胃の不調は逆流性食道炎、大腸は特に問題なし(小さなポリープは痛みなど引き起こさないので)。
ということは、下腹部痛はやはりガンが影響している痛みなのだろう。もしくは、手術痕。
それがわかっただけでもよかった。

ここ数カ月、飲み食いする量がガクンと減ったうえ、急性胃腸炎や今回の検査での食事制限などもあったため、気づいたら体重が15年ぶりに結婚式の時と同じになっていた。
夫に管理されているので、毎週金曜日に体重計に乗せられる。
先週は、15年前どころかここ30年くらい見たことのない数字が出て、それはかなり衝撃だった。
世の中にはどうしてあんなにガリガリに痩せている人が多いんだろうかと不思議だったが、なんということはない。やっぱり「食べなければ痩せる」のだ。
私の場合、痩せたと言っても、ガリガリにはほど遠く、今で「ちょうどいい」感じ。(特にガリガリになりたいとも思っていないし)
ということは、「食べられない」と言っても、これでようやく「一般的な50代女性の食事量になった」ということなのかもしれない。
問題なのは、イレギュラーも通用しない、ということなのだが。
普段は食事量が少ない人でも、外食や旅行の時はいつもより多く食べられるものだが、今の私はそれができない。普段はこれくらいでいいのだが、特別な日くらいはたくさんおいしいものを食べたいのに。
夫には「精神的なもの」だと言われている。
確かに最近は「外食する」という場面になると、急激に弱り出すのだ。家を出る前から胸やけがひどくなり、胃酸が上がってくる。そして、いざ食べ物を目の前にすると、もう胸がいっぱいになるのだ。なんだろう、これは。
「食べなあかん。でも食べたらしんどくなるかもっていうプレッシャーなんやって!」と夫が言う。そうなんだろうか。

7月半ばに、1年ぶりにデスクのYさんと二人で飲みに行き、3時間かけて日本酒を1合半飲んだ。
飲み食いがあまりできないことは伝えていたし、おしゃべりがメインだったので、ゆっくり自分のペースで飲めて楽しく過ごせた。
なのに、家に帰ってからすぐに吐いた。吐いたといっても、ほとんど何も食べていなかったので、固形物はほぼ出なかった。
確か6月に友達と食事に行き、1合半くらい飲んだ時は大丈夫だった。
なんだかどんどん飲めなくなっているような気がする。このまま下戸になってしまうんだろうか、私は。

土曜の夜、12日ぶりに日本酒を90mlだけ飲んでみた。これは大丈夫だった。
この12日間の間に、ビールを1缶だけ飲んだ。これも大丈夫だった。
しかし、今はアルコールを口にするのは週に一度あるかどうか、というくらいになってしまった。
いつもなら、こんな暑い日が続けば、毎日1缶は必ずビールを飲んでいたのだが……。今はもう「酒」が自分の生活から消え去ってしまった。我慢しているわけでもなく、「飲もうかどうしようか」など、お酒のことを「考える」ことすらなくなってしまったのだ。
「いいことじゃない!」と思う人もいるだろう。健康のためにはそうかもしれない。
でも、私は寂しくて仕方がない。
お酒が飲めないと、食べたいものも行きたい店も思いつかなくなってしまったし、人と会うことも少し躊躇してしまう。
もともと下戸で、お酒以外の楽しみをつくり、お酒を介さない人間関係を築いてきた人ならいいが、そうじゃない人間が急に下戸になったら戸惑うものだ。異文化の国に来たかのように。
私は別に酔っ払いたくて酒を飲んで来たわけではない。むしろその逆で、なんとか酔わずにおいしいお酒をたくさん飲みたかった。
世の中においしいものはたくさんあるが、お酒と合わせてこそ、味わいが何倍にも膨らむ料理というのは存在するのだ。
ビールと、日本酒と、ワインと。それぞれのお酒との相乗効果によっておいしさを増した料理は至福の喜びを与えてくれる。
20歳の頃から私はずっとそれを追い求めて生きてきた。
それなのに……。

早くまたおいしくお酒が飲めるようになるといいなと思う。特別な日だけでもたくさん食べられるようにもなりたい。
食や酒が自分の人生から消えてしまうなんて、あまりにも淋しすぎるから。
今回の検査結果で胃腸は大丈夫だとわかったから、この原因が精神的なものなら少しずつ治っていくのではないかと期待している。