月と歩いた。

月の満ち欠けのように、毎日ぼちぼちと歩く私。
明日はもう少し、先へ。

まだまだリハビリ中!

2021-02-28 | 仕事
木・金曜で丹後地方へ出張取材に行ってきた。
京都府といっても市内から車で3時間かかる。なかなかの距離で、むしろ東京出張のほうが楽だと思った。

1日目は移動と飲食店の取材のみ。難なく終了。
ホテルにチェックインしてからクライアントOさんとカメラマンと3人で飲みに行ったが、緊急事態宣言が明けていないので20時閉店、19時でラストオーダーだと言われた。
店に入ったのが19時前だったので慌てて注文し、それでも不完全燃焼だったので、2次会は私の部屋に集まって飲んだ。
それはそれで楽しかった。

翌朝は7時過ぎに集合してまた移動。8時から酒蔵の取材を始め、終了したのがなんと14時!
途中、40分ほど昼食休憩をとったが、5時間半も取材していた。
だいたいいつも3時間くらいなので、これは長いほう。
寒い蔵の中を薄着でうろうろしながら、ずっと集中して杜氏さんや社長と話していたので、かなり疲労してしまった。
最後の方は集中力がなくなっていることに自分で気づいていた。(こういうことは滅多にない)

終わって、車に乗り込んでから、さらにどっと疲れが出て、そこからの4時間近い移動が地獄だった。
慣れないマスクをしていることもある。
買い物など普段は布マスクだけど、取材の時は嫌がる人もいるかもしれないので、念のため不織布にしている(効果が高いので)。
でも、大人用だと大きすぎて目にかぶってくるし(しゃべっていると目の上にくる)、女性・こども用というのだとサイズはぴったりだけど長時間していると耳が痛くなる。
飲食店やサービス業はもちろんだけど、いろんな仕事をしている人が、毎日マスクで過ごしているんだな、すごいなと思った。
私は1日でもかなり苦痛。
おそらくウィッグをかぶっていることもある。さらに取材の時はキャップ(酒蔵も食品工場みたいなものなので)をかぶらされるから、首から上にいろんなものがくっついていて、締め付けがひどいのだ。
そういうストレスを感じながら、ものすごい集中力で5時間以上人の話を聞き、寒い蔵の中を歩き回るって・・・。結構過酷な取材だ。

元気な時でも終わるとどっと疲れが出るが、病気&コロナ自粛で体もなまっているうえ、4ヶ月ぶりの酒蔵取材ということもあって、今までで一番しんどかった。
それでも新幹線などで黙って眠ったりできればまだいいのだが、帰りも車。
黙っているわけにも寝るわけにもいかないし、心配かけてもいけないので、3時間ずっとしゃべっていた。
他人と会って長時間しゃべるという行為も久しぶりだったから、楽しい反面、知らないうちにストレスにもなっていたのかもしれない。途中で頭がガンガンして吐きそうだった。(もちろん気づかれないよう元気にふるまった)

朝は小さなパン1個、お昼はみんなでラーメンをかき込んだだけだったので、お腹もすいていた。
こんな時に限って最寄り駅にタクシーはなし。
重い荷物(土産の酒瓶入り)をかついで、15分の道のりを上って家までようやくたどり着いた。もうふらふらだ。

帰宅して冷蔵庫を見たら、私が作っていたおかずがそのまま残っていたので、それをがっついた。
夫が食べるかと思っておいていたのだが、夫も会社に出勤になって手を付けていなかった。ラッキーだ。
食べるとちょっと元気になったが、ビールを飲んだら一気に眠気が来てソファで眠り込んでしまった。

体力がなくなったなと思う。最近、腰も痛いし、もう少し運動量を増やしていかないとなぁと真剣に思う。
それに、こんなに大変な想いをして、時間をかけたわりに、自分では納得のいく取材ができていないと感じている。
もっと引き出せたのではないか、どうしてあれをもう少し聞かなかったのか・・・等々、いろいろ反省点がある。

2013年から毎年、1年間でだいたい15社前後の酒蔵取材をしていたのに、2019年夏(ガンの再発)以降、1年半の間にたったの3社しか取材していなかった。
病気のこともあるけど、2019年秋からライターが2人から4人になって割り当てが半分になったし、コロナで雑誌自体が1号だけ休刊したこともあって、取材が激減した。
やっぱり間が空くと勘が戻らない。
昔から憧れてきて、いつか話を聞いてみたいと思っていた杜氏さんの取材だっただけに、ちょっとショックだった。
もちろん100点の原稿を書けるくらいの取材はしたし、書ける自信もあるけれど、100点じゃダメなんだ。
100点というのは、お金をもらうのに当たり前のこと。
120点くらいの自信を持って書けないと、人の心を動かすものにはならないと思っているから。

この3ヶ月は野球で言うところの千本ノックみたいな感じで、いろいろな原稿を60本くらい書いた。
録音からの文字起こしも含めれば、それこそ何十万文字もキーボードで文字を打ち込んだ。(1時間のインタビューだと、文字におこせば1万~1万5千字くらいになる。)
最初はしんどかったが、「リハビリだ!」と思ってやっていると、どんどん集中力も上がったし、以前はなかなか浮かばなかったリード文もすらすらと書けるようになった。
文章を書くのが楽しくて、若い時みたいだなぁと思ったし、習慣って大事だなとも思った。
息をするように書いていたら、書くことが当たり前になって、パソコンに向かうのがちっとも嫌じゃなくなった。(数年前までは少し嫌で、集中できないことも多々あった)

でも、今回長時間のハードな取材をやってみると、まだまだリハビリが必要だなと感じた。
そうこう言っているうちに、火・水曜でまた出張取材がある。今度は山形だ。
関東に住む友達に会って帰りたいなと思ったけれど、今回のことで体力的に自信がなくなったからやめておいた。
どんなに楽しいことでも「無理をしてはダメ」ということを、この1、2年でやっと覚えた。(おそっ!)
今は取材をしっかりやり切ることだけ考えよう。

まあ、焦らず、少しずつ。