カナ文字文庫(漢字廃止論)

日本文学の名作などをカナ書きに改めて掲載。

ハナビ

2016-08-07 | ナガイ カフウ
 ハナビ

 ナガイ カフウ

 ヒルメシ の ハシ を とろう と した とき ぽん と どこ か で ハナビ の オト が した。 ツユ も ようやく アケ-ぢかい くもった ヒ で ある。 すずしい カゼ が たえず マド の スダレ を うごかして いる。 みれば せまい ロジウラ の イエイエ には ノキナミ に コッキ が だして あった。 コッキ の ない の は ワガヤ の コウシド ばかり で ある。 ワタシ は はじめて キョウ は トウキョウ シ オウシュウ センソウ コウワ キネンサイ の トウジツ で ある こと を おもいだした。
 ヒルメシ を すます と ワタシ は キノウ から はりかけた オシイレ の カベ を はって しまおう と、 テヌグイ で ナナメ に カタソデ を むすびあげて ハケ を とった。
 キョネン の クレ おしつまって、 しかも ユキ の ちらほら ふりだした ヒ で あった。 この ロジウラ に ひっこした その ヒ から オシイレ の カベツチ の ざらざら おちる の が キ に なって ならなかった が、 いつか そのまま ハントシ たって しまった の だ。
 すぐる トシ まだ イエ には ハハ も すこやか に ツマ も あった コロ、 ひろい 2 カイ の エンガワ で おだやか な コハル の ヒ を あびながら ゾウショ の ウラウチ を した こと が あった。 それから いつ とも なく ワタシ は ヨウ の ない タイクツ な オリオリ ノリシゴト を する よう に なった。 トシ を とる と だんだん ミョウ な クセ が でる。
 ワタシ は ヒゴロ テナライ した カミキレ や いつ かきすてた とも しれぬ ソウコウ の キレハシ、 また トモダチ の フミホゴ なぞ、 1 マイ 1 マイ ナニ が かいて ある か と ネッシン に よみかえしながら オシイレ の カベ を はって いった。 ハナビ は つづいて あがる。
 しかし ロジ の ウチ は フシギ な ほど しずか で ある。 オモテドオリ に ナニ か コト あれば たちまち あっちこっち の コウシド の あく オト と ともに かけだす ゲタ の オト の する のに、 キョウ に かぎって コドモ の さわぐ コエ も せず キンジョ の ニョウボウ の ハナシゴエ も きこえない。 ロジ の ツキアタリ に ある メッキヤ の ヤスリ の ヒビキ も しない。 ミンナ ヒビヤ か ウエノ へ でも でかけた に ちがいない。 ハナビ の オト に つれて ミミ を すます と かすか に ヒト の さけぶ コエ も きこえる。 ワタシ は カベ に はった ソウコウ を よみながら、 ふと ジブン の ミノウエ が いかに セケン から かけはなれて いる か を かんじた。 われながら おかしい。 また かなしい よう な さびしい よう な キ も する。 なぜ と いう に ワタシ は キョウコ な イシ が あって ことさら セケン から かけはなれよう と おもった わけ でも ない。 いつ と なく しらずしらず こういう コドク の ミ に なって しまった から で ある。 セケン と ジブン との アイダ には イマ なにひとつ チョクセツ の レンラク も ない。
 すずしい カゼ は たえず よごれた スダレ を うごかして いる。 くもった ソラ は スダレゴシ に、 ひときわ ゆめみる が ごとく どんより と して いる。 ハナビ の ヒビキ は だんだん ケイキ が よく なった。 ワタシ は ガッコウ や コウジョウ が ヤスミ に なって、 マチ の カドカド に スギ の ハ を むすびつけた リョクモン が たち、 オモテドオリ の ショウテン に コウハク の マンマク が ひかれ、 コッキ と チョウチン が かかげられ、 シンブン の ダイ 1 メン に よみにくい カンブンチョウ の シュクジ が のせられ、 ヒト が ぞろぞろ ヒビヤ か ウエノ へ でかける。 どうか する と ゲイシャ が ギョウレツ する。 ヨル に なる と チョウチン ギョウレツ が ある。 そして コドモ や バアサン が ふみころされる…… そういう サイジツ の サマ を おもいうかべた。 これ は メイジ の シンジダイ が セイヨウ から モホウ して あらた に つくりだした ゲンショウ の ヒトツ で ある。 トウキョウ シミン が ムジャキ に エド ジダイ から デンショウ して きた ウジガミ の サイレイ や ブツジ の カイチョウ とは まったく その ガイケイ と セイシン と を コト に した もの で ある。 ウジガミ の サイレイ には チョウナイ の ワカモノ が たらふく サケ に よい コゾウ や ホウコウニン が セキハン の チソウ に ありつく。 あたらしい ケイシキ の マツリ には しばしば セイジテキ サクリャク が ひそんで いる。
 ワタシ は コドモ の とき から みおぼえて いる あたらしい サイジツ の こと を おもいかえす とも なく おもいかえした。
 メイジ 23 ネン の 2 ガツ に ケンポウ ハップ の シュクガサイ が あった。 おそらく これ が ワタシ の キオク する シャカイテキ サイジツ の サイショ の もの で あろう。 かぞえて みる と 12 サイ の ハル、 コイシカワ の イエ に いた とき で ある。 さむい ので どこ へも ソト へは でなかった が しかし チョウチン ギョウレツ と いう もの の ハジマリ は この サイジツ から で ある こと を ワタシ は しって いる。 また コクミン が コッカ に たいして 「バンザイ」 と よぶ コトバ を おぼえた の も たしか この とき から はじまった よう に キオク して いる。 なぜ と いう に、 その コロ ワタシ の チチオヤ は テイコク ダイガク に つとめて おられた が、 その ヒ の ユウガタ ワラジバキ で あかい タスキ を ヨウフク の カタ に むすび あかい チョウチン を もって でて ゆかれ ヨル おそく かえって こられた。 チチ は その とき コンヤ は ダイガク の ショセイ を オオゼイ ひきつれ ニジュウバシ へ ねりだして バンザイ を サンコ した ハナシ を された。 バンザイ と いう の は エイゴ の なんとやら いう ゴ を とった もの で、 ガクシャ や ショセイ が ギョウレツ して ナニ か する の は セイヨウ には よく ある こと だ と とおい クニ の ハナシ を された。 しかし ワタシ には なんとなく おかしい よう な キ が して よく その イミ が わからなかった。
 もっとも その ヒ の アサ ワタシ は タカダイ の ガケ の ウエ に たって いる コイシカワ の イエ の エンガワ から、 イロイロ な ハタ や ノボリ が ヘイソト の オウライ を とおって ゆく の を みた。 そして ハタ や ノボリ に かいて ある モジ に よって、 ワタシ は その コロ みなれた フジコウ や オオヤマ マイリ なぞ と その ヒ の ギョウレツ とは まったく セイシツ の ことなった もの で ある こと だけ は、 どうやら わかって いた らしい。

 オオツ の マチ で、 ロシア の コウタイシ が ジュンサ に きられた。 この サワギ には イッコク を あげて チョウヤ ともに シンガイ した の は ジジツ らしい。 コドモ ながら ワタシ は なんとも しらぬ キョウフ を かんじた こと を キオク して いる。 その コロ カトウ キヨマサ が まだ チョウセン に いきて いる とか、 サイゴウ タカモリ が ホッカイドウ に かくれて いて ニホン を たすけ に くる とか いう ウワサ が あった。 しかも かく の ごとき リュウゲン ヒゴ が なんとも しれず そらおそろしく やはり ワタシタチ コドモ の ココロ を うごかした。 イマ から カイソウ する と その コロ の トウキョウ は、 クロフネ の ウワサ を した エド ジダイ と おなじ よう に、 ひっそり して うすぐらく、 ミチ ゆく ヒト の セッタ の オト しずか に イヌ の コエ さびしく、 ニシカゼ の キ を うごかす オト ばかり して いた よう な キ が する。

 マツリ と ソウドウ とは セケン の がやがや する こと に おいて にかよって いる。
 16 の トシ の ナツ オオカワバタ の スイレンバ に かよって いた。 ある ヒ の ユウガタ カワ の ナカ から ワタシ は ゴウガイウリ が カシドオリ をば オオゴエ に よびながら かけて ゆく の を みた。 これ が ニッシン センソウ の カイシ で あった。 ヨクネン オダワラ の オオニシ ビョウイン と いう に テンチ リョウヨウ して いた とき バカン ジョウヤク が なりたった。 しかし シュト を はなれた ビョウイン の ナイブ には かの リョウトウ カンプ に たいする ヒフン の コエ も さらに ハンキョウ を つたえなかった。 ワタシ は ただ ヤッキョク の ショセイ が ある アサ おおきな コエ で シンブン の シャセツ を ロウドク して いる の を きいた ばかり で ある。 ワタシ は その コロ から ハクブンカン が シュッパン しだした テイコク ブンコ をば ダイ 1 カン の タイコウキ から ひきつづいて ネッシン に よみふけって いた。 ナツ は ウメ の ミ じゅくし フユ は ミカン の いろづく かの オダワラ の コエキ は ワタシ には イッショウ の うち もっとも ヘイワ コウフク なる キオク を のこす ばかり で ある。

 メイジ 31 ネン に テント 30 ネン-サイ が ウエノ に ひらかれた。 サクラ の さいて いた こと を おぼえて いる ので 4 ガツ ハジメ に ちがいない。 シキジョウ-ガイ の ヒロコウジ で ヒト が オオゼイ ふみころされた と いう ウワサ が あった。

 メイジ 37 ネン ニチロ の カイセン を しった の は ベイコク タコマ に いた とき で ある。 ワタシ は ゴウガイ を テ に した とき むろん ヒジョウ に カンゲキ した。 しかし それ は はなはだ コウフク なる カンゲキ で あった。 ワタシ は ゲンコウ の とき の よう に ガイテキ が コキョウ の ノ を あらし ドウホウ を ほふり に くる もの とは おもわなかった。 まんまんいち ヒジョウ に フコウ な バアイ に なった と して も キンセイ ブンメイ の セイシン と セカイ コクサイ の カンケイ とは ひとり イッコク を して かく の ごとき ヒキョウ に たちいたらしめる こと は あるまい と いう よう な キ が した。 キリスト-キョウ の シンコウ と ローマ イコウ の ホウリツ の セイシン には まだまだ ヒョウキョ する に たる べき チカラ が ある もの の よう に おもいなして いた の だ。 いかに センソウ だ とて ヒト と うまれた から には このたび ドイツジン が ベルギー に おいて なした よう な ザイアク を あえて しうる もの では ない と おもって いた の だ。 つまり ワタシ は ゴウガイ を みて カンゲキ した けれど、 しかし ただちに フボ の ミノウエ を ううる ほど セッパク した カンジョウ を いだかなかった の で ある。 ましてや ホウドウ は ことごとく ショウリ で ある。 センショウ の ヨエイ は ワタシ の ミ を ながく やすらか に イキョウ の テンチ に あそばせて くれた ので、 ワタシ は 38 ネン の マナツ トウキョウ シ の シミン が いかに して シナイ の ケイサツショ と キリスト-キョウ の キョウカイ を やいた か、 また ジュンサ が いかに して シミン を きった か それら の こと は まったく しらず に トシ を すごした。
 メイジ 44 ネン ケイオウ ギジュク に ツウキン する コロ、 ワタシ は その みちすがら おりおり イチガヤ の トオリ で シュウジン バシャ が 5~6 ダイ も ひきつづいて ヒビヤ の サイバンショ の ほう へ はしって ゆく の を みた。 ワタシ は これまで ケンブン した セジョウ の ジケン の ナカ で、 この オリ ほど いう に いわれない いや な ココロモチ の した こと は なかった。 ワタシ は ブンガクシャ たる イジョウ この シソウ モンダイ に ついて もくして いて は ならない。 ショウセツカ ゾラ は ドレフュー ジケン に ついて セイギ を さけんだ ため コクガイ に ボウメイ した では ない か。 しかし ワタシ は ヨ の ブンガクシャ と ともに なにも いわなかった。 ワタシ は なんとなく リョウシン の クツウ に たえられぬ よう な キ が した。 ワタシ は みずから ブンガクシャ たる こと に ついて はなはだしき シュウチ を かんじた。 イライ ワタシ は ジブン の ゲイジュツ の ヒンイ を エド ゲサクシャ の なした テイド まで ひきさげる に しく は ない と シアン した。 その コロ から ワタシ は タバコイレ を さげ ウキヨエ を あつめ シャミセン を ひきはじめた。 ワタシ は エド マツダイ の ゲサクシャ や ウキヨエシ が ウラガ へ クロフネ が こよう が サクラダ ゴモン で タイロウ が アンサツ されよう が そんな こと は ゲミン の あずかりしった こと では ない―― いな とやかく もうす の は かえって おそれおおい こと だ と、 すまして シュンポン や シュンガ を かいて いた その シュンカン の キョウチュウ をば あきれる より は むしろ ソンケイ しよう と おもいたった の で ある。
 かくて タイショウ 2 ネン 3 ガツ の ある ヒ、 ワタシ は ヤマシロガシ の ロジ に いた ある オンナ の イエ で シャミセン を ケイコ して いた。 (ロジ の ウチ ながら ささやか な クグリモン が あり、 コニワ が あり、 チョウズバチ の ホトリ には おもいがけない ツバキ の コボク が あって シジュウカラ や ヤブウグイス が くる。 たてこんだ シチュウ の ロジウラ には おりおり おもいがけない ところ に ひとしれぬ しずか な インタク と イナリ の ホコラ が ある。) その とき にわか に ロジ の ウチ が さわがしく なった。 ドブイタ の ウエ を かけぬける ヒト の アシオト に つづいて ジュンサ の ハイケン の オト も きこえた。 それ が ため か チュウオウ シンブンシャ の インサツ キカイ の ヒビキ も ひとしきり うちけされた よう に きこえなく なった。 ワタシ は クグリモン を あけて そっと クビ を だして みた。 ギュウニュウ ハイタツフ の よう な タビハダシ に メリヤス の シャツ を きて テヌグイ で ハチマキ を した オトコ が 4~5 ニン ホリバタ の ほう へ と ロジ を かけぬけて いった。 その アト から キンジョ の デマエモチ が スジムコウ の イエ の カッテグチ で コクミン シンブン ヤキウチ の ウワサ を つたえて いた。 ワタシ は セノビ を して みた。 しかし ケムリ も みえぬ ので ウチ へ はいる と そのまま ごろり と ヒルネ を して しまった。 オキゴタツ が まことに グアイ よく あたたか で あった から で ある。 ユウメシ を すまして ヨル も 8 ジ-スギ あまり さむく ならぬ うち イエ へ かえろう と スキヤバシ へ でた とき ジュンサ ハシュツジョ の もえて いる の を みた。 デンシャ は ない。 ヤジウマ で ギンザ-ドオリ は トシ の イチ より も にぎやか で ある。 ツジツジ の コウバン が さかん に もえて いる サイチュウ で ある。 ドウロ の マンナカ には セキユ の カン が なげだされて あった。
 ヒビヤ へ くる と ジュンサ が クロベイ を たてた よう に オウライ を さえぎって いる。 ボウト が いましがた ケイシチョウ へ イシ を なげた とか いう こと で ある。 ワタシ は サクラダ ホンゴウ-チョウ の ほう へ ミチ を てんじた。 38 ネン の サワギ の とき ジュンサ に きられた モノ が たくさん あった と いう ハナシ を おもいだした から で ある。 トラノモン ソト で やっと クルマ を みつけて のった。 マックラ な カスミガセキ から ナガタ-チョウ へ でよう と する と カクショウ の ダイジン カンシャ を ケイゴ する グンタイ で ここ も また オウライドメ で ある。 ミヤケザカ へ もどって コウジマチ の オオドオリ へ まわり ウシゴメ の ハズレ の イエ へ ついた の は ヤハンスギ で あった。
 ヨノナカ は ソノゴ しずか で あった。
 タイショウ 4 ネン に なって 11 ガツ も ナカバゴロ と おぼえて いる。 トカ の シンブンシ は トウキョウ カクチ の ゲイシャ が ソクイシキ シュクガサイ の トウジツ おもいおもい の カソウ を して ニジュウバシ へ ねりだし バンザイ を レンコ する ヨシ を つたえて いた。 かかる コッカテキ ならびに シャカイテキ サイジツ に さいして ショウガッコウ の セイト が かならず ニジュウバシ へ ギョウレツ する よう に なった の も おもえば ワタシラ が すでに チュウガッコウ へ すすんで から アト の こと で ある。 クヤクショ が メイレイ して ロジ の ウラダナ にも コッキ を かかげさせる よう に した の も また 20 ネン を いでまい。 この カンリョウテキ シドウ の セイコウ は ついに コウフン バイショク の フジョ をも かって ハクジツ ダイドウ を ねりゆかせる に いたった。 ゲンダイ シャカイ の スウセイ は ただただ フカシギ と いう の ホカ は ない。 この ヒ ゲイシャ の ギョウレツ は これ を みん が ため に あつまりくる ヤジウマ に おしかえされ ケイゴ の ジュンサ シゴトシ も ヤク に たたず ついに めちゃめちゃ に なった。 その ヨ ワタシ は その バ に のぞんだ ヒト から イロイロ な ハナシ を きいた。 サイショ ケンブツ の グンシュウ は しずか に ミチ の リョウガワ に たって ゲイシャ の ギョウレツ の くる の を まって いた が、 イッコク イッコク あつまりくる ヒトデ に だんだん マエ の ほう に おしだされ、 やがて ギョウレツ の すすんで きた コロ には、 グンシュウ は ミチ の リョウガワ から おされ おされて イチド に どっと ギョウレツ の ゲイシャ に ニクハク した。 ギョウレツ と ケンブツニン と が めちゃめちゃ に いりみだれる や、 ヒゴロ ゲイシャ の エイガ を うらやむ ミンシュウ の ギフン は また ヤバン なる レツジョウ と こんじて ここ に キカイ シュウレツ なる ボウコウ が ハクジツ ザットウ の ナカ に エンリョ なく おこなわれた。 ゲイシャ は ヒメイ を あげて テイコク ゲキジョウ ソノタ フキン の カイシャ に いのちからがら にげこんだ の を グンシュウ は オオカミ の よう に おいかけ おしよせて タテモノ の ト を こわし マド に イシ を なげた。 その ヒ ゲイシャ の ユクエ フメイ に なった モノ や リョウジョク の ケッカ ハッキョウ シッシン した モノ も スウメイ に およんだ と やら。 しかし ゲイシャ クミアイ は かたく この こと を ひし ひそか に ナカマ から ギエンキン を チョウシュウ して それら の ギセイシャ を なぐさめた とか いう ハナシ で あった。
 ムカシ の オマツリ には バクト の ケンカ が ある。 ゲンダイ の マツリ には オンナ が ふみころされる。
 タイショウ 7 ネン 8 ガツ ナカバ、 セツ は リッシュウ を すぎて 4~5 ニチ たった。 ネンジュウ エンショ の もっとも はげしい とき で ある。 イノウエ アア クン と その コロ ハッコウ して いた ザッシ カゲツ の ヘンシュウ を おわり ドウクン の カエリ を おくりながら カグラザカ まで すずみ に でた。 サカナマチ で デンシャ を おりる と オオドオリ は イツモ の よう に スズミ の ヒトデ で にぎわって いた が ヨミセ の ショウニン は なにやら うろたえた ヨウス で イマガタ ならべた ばかり の ミセ を しまいかけて いる。 ユウダチ が きそう だ と いう の でも ない。 こころづけば ジュンサ が しきり に いったり きたり して いる。 ヨコチョウ へ まがって みる と ノキ を ならべた ゲイシャヤ は ことごとく ト を しめ ヒ を けし ひっそり と ナリ を しずめて いる。 ふたたび オモテドオリ へ でて ビーヤ ホール に やすむ と ショセイ-フウ の オトコ が ギンザ の ショウテン や シンバシ ヘン の ゲイシャヤ の うちこわされた ハナシ を して いた。
 ワタシ は はじめて ベイカ トウキ の ソウドウ を しった の で ある。 しかし ツギ の ヒ シンブン の キジ は サシトメ に なった。 アト に なって ハナシ を きく と ソウドウ は いつも ユウガタ すずしく なって から はじまる。 その コロ は マイヨ ツキ が よかった。 ワタシ は ボウト が ユウガタ すずしく なって ツキ が でて から フゴウ の イエ を おびやかす と きいた とき なんとなく そこ に ある ヨユウ が ある よう な キ が して ならなかった。 ソウドウ は 5~6 ニチ つづいて ヘイテイ した。 ちょうど アメ が ふった。 ワタシ は すみふるした ウシゴメ の イエ をば まだ さらず に いた ので、 ヒサシブリ の アメ と ともに ニワ には ムシ の ネ が イチド に しげく なり ウエコミ に ふきいる カゼ の ヒビキ に いよいよ その トシ の アキ も ふかく なった こと を しった。
 やがて 11 ガツ も スエ ちかく ワタシ は すでに イエ を うしない、 これから サキ いずこ に ビョウク を かくそう か と メアテ も なく カシヤ を さがし に でかけた。 ヒビヤ の コウエン-ガイ を とおる とき 1 タイ の ショッコウ が アサギ の シゴトギ を つけ クミアイ の ハタ を サキ に たてて、 タイゴ せいぜん と ねりゆく の を みた。 その ヒ は オウシュウ キュウセン キネン の シュクジツ で あった の だ。 ビョウライ ひさしく セケン を みなかった ワタシ は、 この ヒ とつぜん トウキョウ の ガイトウ に かつて フランス で みなれた よう な アサギ の ロウドウフク を つけた ショッコウ の ギョウレツ を メ に して、 ヨノナカ は かくまで かわった の か と いう よう な キ が した。 メ の さめた よう な キ が した。
 コメソウドウ の ウワサ は めずらしからぬ セイトウ の キョウサ に よった もの の よう な キ が して ならなかった が、 ヨウソウ した ショッコウ の ダンタイ の しずか に ねりゆく スガタ には うごかしがたい ジダイ の チカラ と セイカツ の ヒアイ と が あらわれて いた よう に おもわれた。 ワタシ は すでに ヒトムカシ も マエ ヒサシブリ に コキョウ の テンチ を みた コロ かんがえる とも なく かんがえた イロイロ な モンダイ をば、 ここ に ふたたび おもいだす とも なく おもいだす よう に なった。 メ に みる ゲンジツ の ジショウ は この トシツキ ひたり に ひたった エド カイコ の ユメ から ついに ワタシ を よびさます とき が きた の で あろう か。 もし しかり と すれば ワタシ は みずから その フコウ なる を たんじなければ ならぬ。

 ハナビ は しきり に あがって いる。 ワタシ は ハケ を シタ に おいて タバコ を イップク しながら ソト を みた。 ナツ の ヒ は くもりながら ヒル の まま に あかるい。 ツユバレ の しずか な ゴゴ と アキ の スエ の うすく くもった ユウガタ ほど モノ おもう に よい とき は あるまい……。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ノビジタク | トップ | イッペイソツ »

コメントを投稿

ナガイ カフウ 」カテゴリの最新記事