★しろうと作家のオリジナル小説★

三文作家を夢見る田舎者です。
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彗星の時(54)

2012年02月26日 | 短編小説「彗星の時」
『そう、あなたは[イオノスⅢ]に残された「半有機サイボーグ」の最後の一人。他の仲間達は、もう何百年も前に発出されて地上で任務を果たし死んでいった。最後に残ったあなたも、本当は何らかの任務を背負って地上に降りてくるはずだったんだけど・・・あの彗星の大接近で衛星が誤作動を起こして何もないままあなたを発出してしまった・・・ではシャインさん、ミッションを送ります。それであなたは目的を持って動ける・・あなたの任務は・・僕の護衛をお願いします・・・そう、元々あなたはSP、要人警護用として作られている、適任のはずです・・・・いいですね。・・では・・ミッションプログラム転送・・』
 シャインは天を仰ぎ見たまま、固まって動かなくなったが、頭の中には、新たな情報が滝のように流れ込んでいた。
 しばらく経つとシャインは全ての疑問が解けたかのような晴れやかな表情で、群集の前で手を上げて応えているケインのホログラムを見つめていた。
が、突然、ケインの姿が幻のように掻き消えてしまった。
「おぉ。大帝はどうした。どこに行かれた」
群集の間にどよめきが起こった。
それを見たシャインは、険しい表情になり王宮に向かって駆け出した。



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