シャインが着地し、数十メートル離れ、『天の国』の兵士達も蜘蛛の子を散らすように戦鉄牛から離れた瞬間、9体の戦鉄牛に真上から細い光りの槍が突き刺さった。
それまで、蟻を踏みつけながら進む象のように圧倒的な強さを誇っていた戦鉄牛が、突然その動きを一切止め、次々とその場に地響きと供に倒れこんだ。
その光景を目の当たりにした天の国の兵士達にどよめきが起こった。
「いったいどうしたんだ。なにがあったのだ」
命は助かったものの、目の前で起きた出来事にとまどいが隠せない。
その時、土ぼこりの中で既に瓦礫となっている戦鉄牛の上に人影が現れた。
ケインだった。
「勇敢なる天の国の兵士達よ。安心するが良い。今、天の国は再び天神の力を手に入れた。戦鉄牛など恐れることはない。「地の国」とて、もはや取るに足りない弱小国にすぎない。我ら「天の国」こそ神に愛でられた偉大な大国なのだ」
倒れた戦鉄牛の上に立っているケインは、まだ少年の面持ちをした若い姿だったが、その声は周囲数キロまで届くような威厳のある奥深い声だった。
あっけに取られた兵士達は、阿呆のような面持ちでケインを見つめていたが、一人の兵士が呟いた。
「あ、あれは、王族のケイン様だ」
「ケイン様といやぁ、例の、噂の・・本当だったのか・・」
倒れた戦鉄牛の周りに集まった兵士達の間に、ざわざわとした声が広がっていく。
それまで、蟻を踏みつけながら進む象のように圧倒的な強さを誇っていた戦鉄牛が、突然その動きを一切止め、次々とその場に地響きと供に倒れこんだ。
その光景を目の当たりにした天の国の兵士達にどよめきが起こった。
「いったいどうしたんだ。なにがあったのだ」
命は助かったものの、目の前で起きた出来事にとまどいが隠せない。
その時、土ぼこりの中で既に瓦礫となっている戦鉄牛の上に人影が現れた。
ケインだった。
「勇敢なる天の国の兵士達よ。安心するが良い。今、天の国は再び天神の力を手に入れた。戦鉄牛など恐れることはない。「地の国」とて、もはや取るに足りない弱小国にすぎない。我ら「天の国」こそ神に愛でられた偉大な大国なのだ」
倒れた戦鉄牛の上に立っているケインは、まだ少年の面持ちをした若い姿だったが、その声は周囲数キロまで届くような威厳のある奥深い声だった。
あっけに取られた兵士達は、阿呆のような面持ちでケインを見つめていたが、一人の兵士が呟いた。
「あ、あれは、王族のケイン様だ」
「ケイン様といやぁ、例の、噂の・・本当だったのか・・」
倒れた戦鉄牛の周りに集まった兵士達の間に、ざわざわとした声が広がっていく。