今日は終戦後74周年の記念日。
武道館で行われた全国戦没者追悼式に、新しい天皇皇后両陛下が臨席され、追悼のお言葉を述べられた。
それに先立って政府代表として安倍首相が開式の挨拶を述べたが、「国際社会と協力して諸課題に立ち向かう」という力強い内容であった。
それはそれでいいのだが、国際問題に関する課題の解決に当たって日本が採る道筋はおおむね「必要な資金を提供しましょう」で終わっている。
物事には金で解決できるものとそうでないものがある。国際問題で金で解決できるようなものは、その国との関係がまっさらな場合に限られる。
アジア・アフリカのいわゆる開発途上国(日本との関係がまっさらな国々)などへの資金供与はそれなりに大変役に立つし、日本はかなりの資金を提供したり、廉価な借款で協力して感謝されていることが多い。
問題は「まっさらな関係にない国」すなわち「日本との間で歴史問題を抱えている国」の場合だ。
今最も熱い問題を抱えているお隣の韓国を筆頭に、拉致問題かれこれの北朝鮮、首相が靖国神社を参拝しようものならたちまち突っ込みを入れてくる中国、そして北方領土問題とシベリア抑留問題のロシア。
この4か国に関しては政府のみならず日本人の多くが「困った奴らだ、ねちっこいなあ。少しは譲歩したらどうなんだ」と内心は思っているだろう。
ところが実はアメリカとの間にも「歴史問題」を抱えているということは忘れがちなのだ。
もちろん太平洋戦争がもたらした問題である。
太平洋戦争が始まったのは当たり前だが終戦前で、この戦争の原因などここで簡単に述べるわけにはいかないが、まず根本は「欧米の植民地分捕り合戦に見られる有色人種差別はダメだ」とする日本と、「そういうわけにはいかない。邪魔立てするとただじゃ置かないぞ」とする欧米諸国との対立があった。
またロシアロマノフ王朝が倒れて社会主義国となったソ連の脅威がヨーロッパに押し寄せ、やがてイタリア・ドイツで独裁主義者が生まれて混乱に拍車をかけ、これに危機感を抱いたヨーロッパの中心国家であり世界最大の植民地帝国であった英国の策略でモンロー主義だったアメリカを戦争に引き出した。
これが「眠れる大鷲アメリカ」が世界に目覚めた瞬間であった。
第一次世界大戦後のベルサイユにおける平和条約締結会議の議長を務めながら、日本(全権大使は西園寺公望)から提出された「有色人種差別はやめにしよう」という議案を葬ってさっさと国にかえったアメリカのウィルソン大統領は、結局自ら創立を提案した「国際連盟」に加盟せず、「一国主義」(モンロー宣言)に徹し、国際関係の表舞台には立たなかったのであった。
その目覚めたアメリカは日本に対する対決姿勢を強め、最終的に開戦に至ったのだが、この黒幕は人種差別にもとづく世界最大の植民地支配国家「大英帝国」であったと考えるのが至当だろう。
この点に関しては諸説があるのは承知だが、ともかく太平洋戦争は対英米(仏蘭)というよりは対米戦争であった。
結果は敗戦となったが、欧米のアジアにおける人種差別的搾取型植民地支配は音を立てて崩れ、1960年になるとアフリカ諸国でも植民地支配から次々に独立を果たしたのであり、日本の対英米仏蘭戦争は大きな功績を残したわけである。(戦後の歴史教育がこのことを教えていないのは残念至極だ。)
日本は併合した台湾と朝鮮で相当な資本をつぎ込んで土地改良や小学校の建設など一般市民の教育環境向上や農業生産の発展に貢献しており、また戦時に基本的には台湾人・朝鮮人からの徴兵はなく、ただ慰安婦だけは軍の求めに応じて民間業者が相当な高級を条件に募集をしている。
このような慰安婦は日本人慰安婦同様、けっして「奴隷」ではない。朝日新聞記者が「奴隷」と名付けたと聞いているし、また吉田某が証言したという「無理やり連行して慰安婦にした」というのも虚偽であることが分かっている。
徴用工の問題も強制連行というようなものではなく、本人の自由意志によるものである。ただ、戦時中の事とて、寮の食事が乏しかったり、人手不足で相当な残業を強いられたり、賃金の欠配もあったかもしれないが、その点では当時の日本人労働者とそう変わるまい。
こういった戦時中のことを蒸し返して騒ぎ立てる韓国人には、あの女性前大統領パク・クネの妹が公の前で言ったという「日本が支配しなかったら、韓国の教育、農業、産業の今はない」という言葉を思い出して欲しいものだ。(これに付け加えて、妹氏には1965年の日韓基本合意を持ち出して欲しかったが・・・。)
さて世界の人種差別的な植民地支配は、戦前の日本が目指したように戦後も早い段階で終焉となったが、アメリカとの間の歴史問題では戦後74年の間に胚胎し、現在も続いている問題がある。
それは他ならぬ日米安全保障条約である。
次回は、終戦後、日米安全保障条約が締結されて今日に至るまでの経緯を、時系列で追ってみたい。
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