鴨着く島

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トルコ・シリア大地震の現在

2023-02-14 21:02:03 | 災害
2月6日未明にトルコ南部でシリアにも近い場所で発生した大地震による死者は、13日現在で3万5千人を超えたという。

発生から一夜明けた7日では6000人くらいだと発表されていたのだが、とうとう3万人を数えるまでになったとは驚くほかない。

21世紀になって起きた地震による被害としては、2004年に起き、巨大な津波に呑み込まれたスマトラ大地震に次ぐ被害である。

スマトラ島の北部海中で発生した巨大地震は大津波を発生させ、何と22万人が命を落としている。一つの地震による被害としては過去最大級だった。

ちょうど百年前、1923年(大正12年)の9月1日に発生した関東大震災では火災による死者がほとんどで約9万人の被害だった。これでも十分に大きいが、スマトラ大地震の被害者数は群を抜いている。

スマトラ島ではその後も一度大きな地震に見舞われており、インドネシアが地震大国であることが改めて想起された。

今度の災害地トルコも地震大国とまでは行かないが、地震常襲地域だという。

アナトリア断層という長大な活断層が国土を東西・南北に走っており、今回の発生源は南北に走る東アナトリア断層がずれたことによるという。

報道によれば、今度の2か所の震源は久しく「空白域」だったそうである。空白域とは何百年もの間、断層が動いた形跡がないことで、そのため十分な地震対策がとられていなかったようだ。

トルコ政府は高層の建物の中には十分な鉄筋が施されておらず、今度の大地震によって簡単に崩れてしまったビルやアパートを建設した業者をリストアップし責任者の拘束を始めたという。

その数1000人は下らないというから、死者が3万人をはるかに超えたことの大きな原因の一つなのかもしれない。

数百年も地震が起きたことのない活断層が眠りから覚めたというわけだが、これはまさに「天災は忘れた頃にやって来る」の典型だったと言える。だから誰もが地震のことなど考えもせず、建設業者も同じように思っていたのだろう(トルコ政府さえそうだったのではないか?)。

翻って日本だが、日本はトルコと同じく多くの活断層があり、4つの大陸プレートによるせめぎ合いがあり、火山噴火がある。

何ともよく揃ったものだが、このどれが起きても大災害になる。これはほぼ日本列島の宿命と言ってよい(台風災害もある)。

今年は上で挙げた関東大震災の100周年だが、この間、いったいどのくらいの「天災」があったのだろうか?

平成以降に限っても、北海道の奥尻島地震から熊本大地震まで、2,3年に一度は起きているのではないだろうか。

首都直下型地震はじめ駿河湾・東南海・南海トラフ地震と、地震予知連絡協議会が「30年内に必ず起きる」と指定している地震が目白押しだ。その他、意想外なところの活断層が動くかもしれない。

このことは常に肝に銘じておく必要がある。

何度も言うが、日本列島の現状はいつ巨大地震がおきてもおかしくない。「天災は忘れぬうちにやって来る」なのである。




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