鴨着く島

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ワクチン接種方法の不手際と解決

2021-06-09 16:01:52 | 災害
自衛隊が出動して行われる東京と大阪二ヶ所の大規模接種会場では、来週以降の接種予約がわずか20パーセント程度に低迷しているそうだ(今朝の羽鳥モーニングショー)。

その原因として、高齢者がワクチン接種に消極的なためなのではないか、などとコメントされていたが、そうではあるまい。

すでに全国の各自治体で接種への取り組みが実績を上げ始め、自治体の接種会場にしろ、かかりつけの医院にしろ、かなりスムースに接種が進められているからだろう。

65歳以上の先行接種が始まったはいいが、予約による早い者順だったので、特に電話予約がパンク状態で全くつながらない。ウェブサイトによる予約もできたのだが、高齢者の多くはインターネットに馴染みがなかった。この事態は政府の不手際としか言いようがなかった。

しかしファイザー社やモデルナ社というアメリカの製薬会社のワクチンがようやく潤沢に提供され始めたので、政府がそれに見合ったスピードで接種がどんどん進むように自衛隊の組織力を使って大規模会場での接種を計画したのだろうが、遅きに失したようである。

そこには初めの頃、ワクチンが思ったほど潤沢に輸入されず、各自治体への提供にかなりの制限があったがゆえに、接種が思うほど進んでいなかったという事実があった。しかしながら、せっかく大規模な会場を設けたのに接種予約が集まらないというこの事態は、政府の誤認だろう。

そもそも夏のオリンピックをどうしても開催したいのなら、自治体の進行状況の低迷を見て素早く今度のような自衛隊組織の機動力を応用したアイテムを立ち上げればよいのに、どうしてこうも後手後手に回ってしまうのか。

そんなことを思いながら、3時過ぎの地元のニュースを見ていたら、鹿児島市ではいよいよ65歳未満への接種券を発行するという。しかもその接種券の配布の仕方が、理に適っているのだ。

どう配るかというと、6月30日に60歳から64歳へ、7月19日に55歳から59歳へというように、高齢順に5歳刻みで配るというのである。ワクチン接種日についてはその接種券に記載があるのだろうが、何にしても60歳から64歳までの市民に半強制的に2回接種したら、次に55歳から59歳に接種するという「高齢順のトリクルダウン方式」を採用しているのだ。

このやり方はこれまでの当ブログ「ワクチン騒動」(5月2日)と「ワクチン騒動と東京オリンピック」(5月19日)でも「こういうやり方ならスムースに行く」という観点から提案していたのだが、ようやくそれを採用し実行する自治体が現れたことになる。

自治体には住民台帳が備え付けられており、5歳刻みの市民の把握など、いとも簡単なはず。

すでに先進的な自治体では5歳刻みではないにせよ「80歳以上」とか「70歳以上」とかに区切って接種を進めたところもあり、スムースに運用されているケースがあるのだ。