チェスニック・スコープス工房は2ホイールタイプの万華鏡を一番たくさん創ってきた工房です。創始者はジャニス・チェスニックさんです。万華鏡ルネッサンスの初期の頃から、作り続け、今では息子のジョン・グリーンさんが工房を引き継ぎ、中心となって活動しています。ジャニスさんは今でもミラーシステムや、トレードマークのミルフィオーリのガラス細工を担当しているそうです。今日ご紹介するのは、「Floret Fiesta フローレット・フィエスタ」という万華鏡です。ミルフィオーリ(ベネチアンガラスで有名ですね)のガラス細工をハンダで繋げたホイールをミラーシステムを通して見ます。 チェスニック工房のオリジナルは、なんとも可愛らしいパターンが並んでいます。製作の過程は、いくつもの細長いガラス片を模様を創るように束ね、7.5cmぐらいの太さにしたものを、窯の中で溶融した状態で引っ張り、細長い棒状にします。それを冷ましてからスライスし、もう一度窯で焼いたのが、ここに見えるひとつひとつの模様なのです。このガラス片のひとつひとつをコッパーテープで巻き、ハンダで繋いでホイールにするという、とても手の込んだものです。
外側のホイールは色ガラスとクリアなガラスを組み合わせてハンダで繋いでいます。2枚を別々に動かすことで、重なり合う色も変化し、豊かな色合いの映像が生み出されます。
二等辺三角形に組まれた3ミラーシステムを通して、中心の大きな映像と、その周りに連なる小さな映像が重なって見えています。 写真では撮りきれていませんが、視野いっぱいに広がる映像です。
ひとつひとつのガラス細工がいろいろな色の組み合わせでできているので、それらがさらに鏡に映りこんで反射して、こんなに細かい模様に見えています。
真鍮の輝く筒とガラスのホイールの組み合わせは、飾って置くだけでも美しく、中を覗いてまた違った世界を楽しめる作品となっています。