万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

精密機器のような万華鏡

2006-06-06 19:24:56 | 万華鏡ブログ
今回のコンベンションに登場した新人作家でいきなり完成度の高い作品を持ってきて、注目を浴びたジョン・グリムバーグの作品「アルファ」をご紹介します。金属を素材として、デザイン性と機能性を妥協することなく追求した職人技とも言える作品です。彼は子供の頃から金属という素材に惹かれ、その堅牢さ、耐久性、そして適切な道具を使えばどんな形にでもすることができることに魅力を感じていました。成長した後もモダンアートとしての可能性を追求し、機能性のあるデザイン、テクノロジーと美しさ、それらすべてを表現する精密機械のような作品を目指しています。 自然界でもそうであるように、優れた機能と美しい形は相通じるものだと彼は信じています。
本体はアルミニウム、真鍮、ブロンズ、ステンレススティール、アクリル、ガラスという素材で作られ、194の部品からできているそうです。クランクを手で回すと万華鏡が動き出します。ミラーの筒がゆっくりと回転を始め、同時にオブジェクトセルがその反対方向に3倍のスピードで(!)回ります。ボールベアリングとギアの働きでそのような複雑な動きが実現されています。仕上げは金属そのままのカラーのほかに、ブラック仕上げ(この写真)とグレイ仕上げがあります。オブジェクトはガラスアーティスト、レスリー・アン・ビットグッドによるガラス細工と彼自身の手によるメタル細工で、2ミラーシステム、5ポイントの映像を展開します。2つのオブジェクトチェンバーは黒い背景と透明な背景の2種類の交換ができ、しかも中味を自分で替えることもできるようになっています。自分の作品が、何代にもわたって大切にされ、楽しんでもらえるよう願って、心と技術を注ぎ込んだ若き新人アーティストです。
Comments (2)
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