昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

第二章“とっちゃんの宵山”(短期集中再掲載)  8.宵山で見た光景

2012年09月27日 | 日記
やけに静かになったとっちゃんを従え、御池通りを越える。河原町通りいっぱいに広がった人波は、まだ肩と肩がぶつかるほどではない。30以上と聞いている各町内で保存されている山鉾の一部でも見ようと先を急ぐ。何処に何があるかわかってはいないが、尋ね歩けば大丈夫だろうと高をくくっていた。 ずらりとぶら下げられた道路脇の提灯には灯が入り、これからのさらなる賑わいを予感させている。歩道に沿って並んだ屋台の一部は . . . 本文を読む