昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

第二章“とっちゃんの宵山”(短期集中再掲載)  7.とっちゃんと、宵山へ。

2012年09月26日 | 日記
7月11日は、すぐにやってきた。 その日は、朝刊の配達が始まる前から、とっちゃんは上機嫌だった。 朝一番の「ガキガキ~~、おはよう。ええ天気やなあ。宵山日和やで~~~」という挨拶に、僕の配達の足取りは重くなり、いつもより10分以上配達終了が遅くなったほどだった。 販売所に帰ってくると、迎えてくれたのもとっちゃんの陽気なねぎらいだった。「ガキガキ~~~。お疲れさ~~ん。まあまあ。お茶でも飲みい . . . 本文を読む