昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

第二章“とっちゃんの宵山”(短期集中再掲載)  6.とっちゃんの、突然の変化

2012年09月25日 | 日記
いつものように配達が終わり、いつものようにお菓子が出され、いつものようにとっちゃんがむさぼってはポケットに押し込み、いつものように4人で残り物を食べる……。 銭湯に行った翌日から、そんな風景の空気が変わった。 桑原君は山下君と額を寄せ合い、大沢さんは僕と話をしたいと思っているようだった。 とっちゃんはそんな4人を階段から高みの見物といった風情。“おばち . . . 本文を読む