昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

第一章:親父への旅 (集中再掲載 )  10.雨のち晴れ  11.東京へ。そして……。

2012年09月12日 | 日記
雨のち晴れ   「おう。起きてるか~~」。わずかにまどろんだ僕を、親父のふんわりとした声が呼ぶ。午前7時半過ぎ。少し落ち着いたとはいえ、外の雨の勢いはまだ強い。 「飛行機は大丈夫なんか~?」の心配に、「8時過ぎに出れば、間に合うから」と起き上がり、親父の顔を覗き込む。 「大変じゃったのお。仕事はせやあないんかい?」「大丈夫、大丈夫」。額に手を当ててみる。少し熱いが、平熱に戻りつつ . . . 本文を読む