昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

第一章:親父への旅  親父の昭和 ②

2010年09月21日 | 日記
叔父夫婦には、娘が二人、息子が一人。長女は女学校の卒業間近。長男は中学生になったばかりで、次女はまだ小学生。働く当てのない叔父はニコヨンと呼ばれていた日雇い労務者となって、なんとか家庭を支えようとした。 しかし、家計の厳しさは日増しに増していく。そして、どうにもならない苛立ちと日々の疲労は、叔父夫婦の間に亀裂を生んでいった。 親父は20代後半にさしかかったところ。教職も得ていたとあって、言わば叔父 . . . 本文を読む