昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

第一章:親父への旅   東京へ、日常へ。①

2010年09月23日 | 日記
目覚ましの音に飛び起きる。午前7時半。ひどい寝汗だが、不快感はない。下着をハンガーから取り込み、シャワーを浴びる。歯磨き、髭剃り、着替え…。一連の朝の動きが淀みなく爽やかだ。 ベッドに腰掛け、タバコに火を点ける。親父の横顔が浮かぶ。長い時を経て、またも病室の人となった親父の心細さと覚悟を思う。タバコをもみ消し、立ち上がる。 午前8時前。チェックアウト。外の景色は変わらない。客待ちのタクシー。バス待 . . . 本文を読む