昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

第一章:親父への旅  故郷との再会 ②

2010年09月17日 | 日記
午後7時半。路地から裏通りへ曲がると、宵闇に引き込まれるようにそぞろ歩く数人の男たち。賑わいの予感もなくはないが、並んだ店の灯りに勢いはない。 中ジョッキ1杯分の心地よさを頼りに、しばらく街を歩いてみることにする。僕の夜は、まだ早い。親父と歌った店のオープンは、午後9時前だ。 しかしわずかの距離で、足は止まる。どうも、目的地なしには歩けない。散歩は向かないということか。ましてや、辺りは次第に闇に沈 . . . 本文を読む