昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

第一章:親父への旅   喪失 ②

2010年09月27日 | 日記
「ガンマgtpが500を超えています。今は、自分で呼吸するのも覚束ない状態です。とりあえず集中治療室で、あらゆる手を尽くしてみます。ただ……なにしろ、原因がわからないもんで……。今のところ、本人の体力次第、としか言えませんねえ」 と言い残すと、検査医は小走りで集中治療室に向かって行った。 「まさか。まさか、あいつが死ぬなんてことありっこないから。大丈夫だよ。けろっとして、みんな大袈裟なんだから、と . . . 本文を読む