昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

第一章:親父への旅  親父の“今”との対面 ①

2010年09月13日 | 日記
親父と二人、背筋を伸ばして待つこと数分。「息子さんですか?いらっしゃったんですね」と、微笑みながら主治医はやってきた。主治医の“いらっしゃった”という言葉の裏に“やっと”という言葉が隠されているような気がして、僕は背を丸めた。 目の前のビューアーに、親父の患部の写真が並べられ、主治医の説明が始まった。明快だった。 ●肝臓癌であることは、間違いない。 ●本人の望みなので、すべて包み隠さずお話しする。 . . . 本文を読む