昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

第一章:親父への旅  親父の“今”との対面 ②

2010年09月14日 | 日記
午後4時半過ぎ、親父と一緒に病室に戻る。 主治医の自信に溢れた説明に、親父の顔が生気を取り戻しているように見える。僕の心にも安心が芽生えてきている。 「お前、晩飯はどうするんじゃ?」。心なしか親父は、声も明るくなっている。 「僕は大丈夫!どっかで食べるから!」。一瞬とはいえ父親の命と向き合ってしまった息子は、まだ楽観に戻りきれない。 「6時頃、ホテルに……行くね」。ホテルに“帰るね”と言いかけ、慌 . . . 本文を読む