昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

第一章:親父への旅  旅の始まり ①

2010年09月06日 | 日記
2000(平成12)年6月初旬、夕刻。事務所の電話が鳴った。僕の親父からのようだ、と告げられた。僕はキーボードの手を止めた。嫌な予感がした。 29歳の初夏、電話とラジカセだけの事務所を開いてから21年。親父からの電話は、たった3度。再々婚の相談の1回だけが、いい知らせだった。残りの2回は、いずれも親父の連れ合いの死に至る病発症の連絡だった。田舎で一人暮らしの親父。4度目の電話は、本人の死に至る病で . . . 本文を読む