昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

第一章:親父への旅  旅の始まり ③

2010年09月08日 | 日記
空港を出てすぐ、タクシーに乗る。15分強で到着。信号の少ない田舎の道は速い。料金2500円。 「ただいま~」と、玄関の引き戸を開ける。「おお、洋一か」と聞こえてきた声は、元気だ。塵一つない玄関のたたきに親父の几帳面さとささやかな決意を感じつつ、玄関脇の和室に上がる。向こう三軒両隣に空港売店で買ってきた“濡れ甘納豆”を置き、居間の仏壇の前に進む。そこには、親父の再婚相手(僕の育ての母)と再々婚相手( . . . 本文を読む