俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

5月1日(火)/八十八夜・メーデー

2012-05-01 04:50:03 | Weblog
★八十八夜のポプラに雀鳴きあそぶ  正子
八十八夜、まさしく陽光あふれ、若葉が目に沁みる頃。ポプラのそよぎ、雀の囀り、その軽やかな明るさ、心楽しさに、春から夏への確かな季節の歩みが快く伝わってきます。(藤田洋子)

○今日の俳句
子が発ちし八十八夜の月明り/藤田洋子
「八十八夜の月明かり」の美しい抒情に、旅立つ子を送り出す母の一抹の寂しさが添えて詠まれた。(高橋正子)

○山吹
★雨脚の舞ってゐるなり山吹に/清崎敏郎
★西側の垣の山吹黄が明るし/高橋信之
★降りかかる雨の山吹窓越しに/高橋正子

山吹の花が咲くころは、降るともなく、降らぬともなく、雨が細い雨脚を見せて降ることが多い。山吹の花の記憶はいつも雨とある。一重ではなく、記憶の山吹は八重だ。「七重八重・・」の大田道灌の古歌も今では言う人もいないだろうが、雨降りの記憶とともに脳裏にある。
白山吹という白い花を咲かせる山吹もあって、これは一重で黒い実を結ぶ。我が家では、白山吹は、高い曇り空の下に咲いて表の庭にあった。日吉には、見事に垣根をなして白い花咲かせている家があって、しゃれているので、山吹とも思えない感じだ。

山吹は、低山の明るい林の木陰などに群生する。樹木ではあるが、茎は細く、柔らかい。背丈は1mから、せいぜい2m、立ち上がるが、先端はやや傾き、往々にして山腹では麓側に垂れる。地下に茎を横に伸ばし、群生する。葉は鋸歯がはっきりしていて、薄い。晩春に明るい黄色の花を多数つける。多数の雄蕊と5~8個の離生心皮がある。心皮は熟して分果になる。北海道から九州まで分布し、国外では中国に産する。古くから親しまれた花で、庭に栽培される。花は一重のものと八重のものがあり、特に八重咲き品種(K. japonica f. plena)が好まれ、よく栽培される。一重のものは花弁は5枚。白山吹もあるが別属である。日本では岡山県にのみ自生しているが、花木として庭で栽培される事が珍しくない。こちらは花弁は4枚。

◇生活する花たち「藤・シャガの花・花水木」(横浜市緑区中山)

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする