俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

5月9日(水)

2012-05-09 05:18:34 | Weblog
★初夏の夜の電車傾きつつ曲がる  正子

○今日の俳句
幾たびも来ては飛び去る夏の蝶/平田 弘
夏になると、蝶さえも活発な動きを見せるようになる。今しがた蝶が来たかと思うと、また来ている。初夏の日差しのなかにきらめく蝶の動きが印象に残る。(高橋正子)

○草苺

[草苺の花と実/横浜日吉本町]

★死火山の膚つめたくて草いちご/飯田蛇笏
★草苺藩主の墓の居並びて/宮津昭彦
★指こはばる掌に草苺盛るほどに/細野恵久
★大いなる森のはずれの草苺/高橋正子

 草苺(クサイチゴ・学名:Rubus hisutus)は、、バラ科キイチゴ属の落葉小低木だが、樹高が低くて這性で草のように見えることから草苺と命名された。本州の岩手県から九州にかけて分布し、林の縁や草むらに生える。小低木と入っても樹高は20センチから60センチくらいで、葉も草質なので、イメージとしては多年草に近い。全体に毛深く、ところどころに棘がある。葉は奇数羽状複葉(鳥の羽のように左右に小葉がいくつか並び、先に1つの小葉がついて1枚の葉が構成される)で、3枚から5枚の構成である。小葉は卵形で先は尖り、縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。開花時期は4、5月である。花は白い5弁花で、雄しべと雌しべがたくさんある。実が熟するのは5、6月である。キイチゴ状果(集合核果)で赤く熟し、食用となる。俳句では「草苺の花」が春の季語、「草苺の実」が夏の季語である。属名の Rubus はラテン語の「ruber(赤)」からきている。赤い実がなることから名づけられた。種小名の hirsutus は「粗い毛のある」という意味である。
 草苺は、見かけは草のように見えるが、実は茎は木質ということだ。5月、野山を歩くと木下などに草苺の白い花を見つける。先日5月6日には、近所の駒林神社と金蔵寺を含む山裾で、花と熟れた赤い実を見ることができた。高いフェンスが張られているので、採ることはできなかった。 一昨年は、明治神宮の森で草苺の花を見つけた。意外と多いのかもしれないが、苺といわれるものは、花も実も可憐だ。


◇生活する花たち「木苺・草苺・苺」(横浜日吉本町)
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする