朝から納竿まで、お日様が顔を見せなかった。
風が冷たくて、午後からは冷たい雨もパラパラと降ってきた。
海上に出ると、予想していた以上のウネリが残っていた。
水温も下がっている様子で、朝間詰めのアタリも針はずれが続いた。
「厳しい一日かな」
そんな感じの、スタートだった。
潮は、上り潮が沖に払い出していたが、イマイチ動きが良くない。
最初のアタリは、塩田さんに来た。
「久し振りのホウボウが来た」
下潮の動きも、イマイチなのかも知れない。
ポイントを移動しながら、ベイト反応を探すが、思うような反応が出てこない。
ところが、移動中に大きなベイト反応が出てきた。
「チャンスです。良いですよ」
黒木さん、蔵屋さんも、急いで仕掛けを入れていく。
ベイトの正体は、直ぐに判明した。
良型の真鰺、丸鰺が上がってくる。
35センチクラスの、良型が多い。
ベイト反応も、所々で乱れている。
「何か居るかも、知れません」
黒木さんのジグが、一発で切られた。
「何か、歯のある魚でしょうね」
やり取りさえ、出来なかった。
良型の鰺は、順調に上がってくる。
船首の塩田さんに、真鯛のアタリ。
竿を叩く、真鯛独特のアタリが来た。
「食べ頃サイズですね」
キロクラスの、綺麗な真鯛だ。
神経締めして、血抜きする。
黒木さんにも、強いアタリが来た。
「そんなに大きく無いかな」
ゆっくりと、引きを楽しみながら巻き上げていく。
「真鯛ですね」
上がってきたのは、65センチ、2.5キロのノッコミに入った真鯛。
「引きが弱かったから、小さいと思った」
上がった来た真鯛は、思った以上に良型だった。
昼過ぎになると、小雨がパラ付き始めた。