「南よりの風が、出るかも知れませんね」
そんな心配をするのが、最近の出船前の日課となっている。
海の上では、最悪なのは風が強い事と、危惧しているからだ。
しかし、時には、天気予報も良い方向に、転換することもある。
「べた凪になったですね」
朝のウネリも取れて、波静かなべた凪の海になってきた。
釣果までもが、べた凪にならなければ嬉しいのだが…。
ここ数日の潮は、上り潮も下り潮も、横流れの緩い潮が多いように感じている。
上潮は緩いが、下潮は速い流れになる二枚潮。
また、昼前に掛けては、下潮が動かない二枚潮になる傾向を感じている。
掛かり釣りの仲間からも「仕掛けが絡まって上がってくる」と、連絡が来る事がある。
掛かり釣りで、仕掛けが絡まる状況は、下潮が動かずに上潮と協調しない潮の時が多いと聞いている。
下潮が動かないとき、苦戦するのは流し釣りも同じだ。
そんな情報を元に、潮の流れに気を配りながら、船を流していく。
アタリは、ポツポツと出てくる。
40センチ前後の真鰺が、連発したり、ポツポツと間隔を置いてヒットしてくる。
時には、ハガツオもヒットしてくる。
日を追う毎に、ハガツオも太り始めているように見えてくる。
ベイトの鰺子、鯖子を沢山食べているのだろう。
潮の流れは、0.8ノット前後で南東に下っている。
青物がヒットしてくるチャンスが多いのは、朝間詰め。
ベイト反応を確認して、仕掛けを入れていく。
真鰺がヒットする確率は高い。
真鰺が、ジグにヒットしてくる。
身幅が有って、肉厚の分、感じる引きの強さは楽しい。
ヒットして、最初の突っ込みは「鰺とは思えない」強さになっている。
ジグにトライしてくる鰺の大きさは、40センチ近い物が多い。
鰺の合間に、イサキもヒットしてくる。
よく言う「腹太のノッコミイサキ」で、白子をだしている。
捌くと「卵が、いっぱい入っているよ」と、仲間達からも聞く。
しかし、日が高くなるに連れて、アタリが少なくなっていく。
完全に、アタリが止まる事もある。
「下潮が動いていない」
そんな状況に、突然、填ってしまう。
ポイントに成るところを探して、ウロウロと移動を繰り返す。
鰺を中心に、拾い釣りを続ける。
海底付近を探っていくと、思わぬ魚がヒットしてくる事がある。
ワニゴチも、そんな魚種の一つだろう。
アオハタ、オオモンハタもヒットしてきた。
昼前から、べた凪になった。
「嬉しいような、困ったような」と、一寸贅沢な悩みなのだろうと思いながら、海を眺める。
ポイントを探して、拾い釣りが種になった一日だった。