海上では、北西の風が吹いている。
潮行は、東に向かって、沖に出ている。
少し下り潮加減だが、0.8ノット前後で流れている。
朝間詰の下潮は、潮の重みの間隔が有る。
「良いアタリが来ないかな」
そんな事を考えていると、アタリが出て来た。
「久し振りの釣なので、緊張します」
約9か月ぶりの釣りに、緊張感が漂う。
ゆっくりと、時間を掛けて巻き上げる。
「真鯛です」
60㎝超の、良型真鯛だ。
「一匹釣れれば、ホッとしますね」
船首でも、アタリが来た。
「真鯛の様ですね」
「良い型の真鯛だと思います」
時折、ラインが引き出されていく。
姿が見えた。
これも、60㎝超の良型だ。
これで、気持ちはホッとして来た。
気持がホッとすると、次のアタリも出て来る。
ドラグ音が鳴り響くくらいの、走りを見せている。
「真鯛なら、さっきより大きいと思います。もしかしたら、青物かも」
強烈な走りを見せる中、ゆっくりと巻き上げて行く。
姿を見せたのは、良型のカンパチ。
70㎝を少し超している。
あと少しで、針が外れたハマチもいた。
ベイトには、青物が付いている様子。
ハガツオも、姿を見せた。
ポツポツだが、アタリは出ている。
ベイトの正体の、真鯵も楽しい。
時間の経過と共に、風が南に変わってきた。
白波が立つ程ではない。
釣れる魚も変わってきた。
ガンゾウヒラメに、レンコ鯛。
南風が吹くと、アタリが出なくなる。
そんな言葉を思い出した。