日本庭園こぼれ話

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七福神めぐり・・・東京都多摩地区(3)日野七福神(改編)

2022-12-21 | 七福神めぐり

東京都日野市は、東京の西部にあり、新撰組副長の土方歳三の出身地でもあることから、「新撰組のふるさと」を観光のキャッチコピーにしています。

七福神は、市を流れる浅川に沿って点在していますが、全行程を歩くと、かなりの距離になりそう。しかし、幸いというか、ほとんどが京王線あるいは、隣接する多摩モノレールの駅の近くにあるので、電車を利用することにしました。

 

七福神めぐりの地図を頼りに、まずは京王線・百草園駅から徒歩2分という「真照寺」へ。

真照寺に祀られているのは「恵比寿天」。ご存知のように、七福神には、インドと中国、そして日本の神仏が混在していますが、日本出身の神様は、この恵比寿天だけ。

 

 

 

 

 

 

 

 

恵比寿天は海の守護神で、商売繁盛にご利益があるとされています。手にした鯛は福を表し、釣り竿が福を釣ると言われているそうです。

扉の張り紙には「七色の紐は、恵比寿さまの手から続いています。これに触ると、恵比寿さまと手を合わせたことになりますよ」と、書かれていました。(上の写真)

次は隣の高幡不動駅から、多摩モノレールに乗って次の駅・万願寺駅から、「安養寺」と「石田寺」に参拝。安養寺(下の写真)は駅から徒歩5分。ちなみに駅名の「万願寺」は、この安養寺の前身だったとか。ここには「毘沙門天」が祀られています。

 

 

 

 

 

 

 

 

毘沙門天は、インド出身の神様。もともとは、財宝を守る神とされていますが、他にもいろいろな願いを叶えてくださるそうです。

安養寺から駅の反対側に出て、徒歩8分ほどで「石田寺」。(駅からは徒歩5分)

 

石田寺がお祀りするのは「福禄寿」。中国出身の神様で、現世のご利益を背負った福の神ということです。特に、こちらの福禄寿は、道教で人生の目的の理想とされる「幸福・俸禄(財産)・長寿」の三徳をそなえる「三徳福禄寿」と呼ばれるそうです。

 

石田寺は、新撰組副長の土方歳三の墓があるところとして知られています。墓所は境内のカヤの巨木の脇に、大きな木に守られるかのようにありました。

  

 

  

 (樹齢400年以上といわれるカヤの木が見事)

でも、この墓地の墓碑銘がほとんど「土方家」なので、歳三のお墓を探すのが大変でした。あまり一般的な名字とは思えませんが、この地域には、土方姓が多いのでしょうか?と、これは余談。

(上:カヤの巨木の両側が墓地)

次の目的地は「弁財天」を祀る「高幡不動尊」。モノレールまたは京王線の高幡不動駅から徒歩2分です。モノレールで引き返してもいいし、石田寺から歩いても15分くらいでしょうか。

 高幡不動尊は、この地域の大寺院。その名の通り「不動明王」をご本尊とし、古来より関東三大不動の一つとして栄えたということ。その不動明王は、総重量千キロを超えるという巨像で、近年修復作業が完了し、平安時代の姿が再現されています。

(入口の仁王門)

というわけで、もともと参拝客の多いお寺なので、この日は、七福神めぐりの参拝客以外の初詣客で大混雑。広い寺域に、建ち並ぶ堂宇も多く、さらに参道の両側にずらりと連なる露店のテントに視界を遮られ、目指す弁天様が見つかりません。

境内をうろうろして、ようやく見つけた弁財天のお堂は、結局、入口の仁王門を入ってすぐ左手、五重塔の近くにある池のほとりでした。 

 

弁財天は、学問、芸術の守護神として知られますが、その出自は、インドの河神。水辺に祀られていることが多いのは、そのためなのでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

高幡不動尊を後に、次の南平駅へ。長寿と知恵を授けてくださる「寿老尊」を祀る「延命寺」は、駅から徒歩20分です。南平駅から、まず浅川の岸辺に出て、川沿いに一番橋まで行き、橋を渡って、さらに10分ほど・・・。

 

(上: 富士山の眺めが良い浅川のほとり)

そろそろ歩き疲れてきた上に、先ほどの高幡不動尊の混雑で、だいぶエネルギーを消耗したので、延命寺までがずいぶん遠く感じられたことでした。

 

(上: 延命寺「寿老尊」)

延命寺からは、来た道を戻り、歩いて10分ほどで、「善生寺」に到着(南平駅から徒歩15分)。

 

 

 

 

 

 

 

近づくとまず目に入るのが、露座の大仏像。5メートル近くあるそうです。また、境内のそこかしこに、大岩が据えられているのも珍しい光景。

 

こちらでお祀りする七福神は「大黒天」です。大黒天はインド出身の神様ですが、日本に来て、大国主命と合体したために、民間信仰に浸透し、恵比寿天と対をなして、台所などに祀られることも多いとか。手にした小槌から、福が無限に得られるそうです。

 

いよいよ本日の七福神めぐりもゴール間近。最後は、隣の平山城址公園駅から徒歩5分の「宗印寺」。「布袋尊」が祀られています。

 

大きなお腹とニコニコ顔で親しまれている布袋様は、中国の実在の禅僧だそうです。背負った大きな袋には、福財が入っていて、知恵と福徳を授けてくださるとか。

 

 

 

 

 

 

 

近年、七福神めぐりは、一種のブームなのか、あちらこちらで七福神めぐりのコースが見られるようになりました。信仰というより、観光的要素が強い面もありますが、地元の七福神をめぐって歩けば、ご利益はもちろんのこと、見慣れた風景の中に、新しい発見があるかもしれませんね。

 

*七福神の説明は、各寺院の解説などを参考にしました。

*本文は、最新の情報ではありません。お出かけの際は、公式HPなどでご確認ください。

 

 


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