20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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やかん

2024年10月04日 | Weblog
          

           

           
 
粟辻早重さんというデザイナーの方が、収拾したやかんの展示会。

カラフルなイラストが、やかんの可愛さを、より表現しています。

そういえば、やかん、持っていないな。
ティファールなんて便利なものができてからは、そればかり。

          
普通のティファールから、ガラスのティファールにグレードアップして。
寒くなっての日本茶も、ほうじ茶も、ティファール。

こういう展覧会を見ると、便利さの追求で、だんだん風情がなくなってきているのかもしれないと思います。

子どもの頃、夏になると、母がやかんで麦茶を沸かし、しばらくすると、氷の張ったバケツに乗せて・・・。
そこから飲む、生暖かく香ばしい麦茶のお味は今も、忘れられません。

学校から帰ってきて、麦茶が煮立ったばかりの香ばしい匂いに、くんくん鼻を動かしていると、
「お砂糖、入れて飲む?」
「うん!」

お砂糖入りのあったかい麦茶を、ふうふう言いながら飲むのも美味しかったです。
やかんの麦茶が少なくなってくると、ガラス瓶のようなものに写し、冷蔵庫に入れていました。

やかん。
やかんを思い浮かべると、子どもの頃の、台所の風景まで脳裏をよぎります。
キッチンなんていう名前では呼べない、台所。
白い割烹着姿の母の後ろ姿。

みんな、みんな、思い出です。
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