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20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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ずるした作文から考えたこと

2025年06月24日 | Weblog
            

             

昨日は、先日収録してもらった、YouTubeから、いい足りなかったことを突然思い出し、書きました。

今日は、その続きのようなお話しです。

本屋さんへ行くと、いろいろな傾向の本が並んでいます。
私は必ず、一番に児童書コーナーを見ますが、年々、スペースが小さくなっていて、それでもしがみついて見ています。
次が、文学コーナー。
あさのさん、すごい!
「No.6」ベスト10に軽く入っていて、平積みの高さがダントツ減っています。
児童書の世界から、すっかり大人の本の作家へ移行し、大活躍しています。

それで、つらつら見ていて考えたこと。
「暮らしを生きる」「丁寧に生きる」。
そのことが、この煩雑な日々の暮らしに、どれほどの精神的な余裕をもたらせてくれるのか。
写真、上のを手に取って読むとよくわかります。
逆に、写真2枚目。
「言葉」集です。

中でも売れているのが、ニーチェ。
・「自分は大したことがない人間だなんて思ってはならない。自分への尊敬が、はじめの一歩」
・「自分の他人からの評価など気にするな」

暮らしを丁寧に生きようとしても、うちなる自分の気持ちは、鬱々としたものがあります。
人間関係って難しい。そういう悩みの中を生きている人が多いってことなのかなと。
平積みになった本を見ていると思います。

自己肯定感。これは中でも一番多い言葉です。
今という混沌とした時代。とても大切な言葉です。

自己肯定感と自己顕示欲は違います。

自己顕示欲は、自分以外の人の気持ちが想像できず、偉いのは自分だけ。間違っているのはお前たち。そうした「自分・自分」だけを押し通す人。また自己顕示欲を満たすために自分の力ではできず、誰かに当たり前に依存し、たかり、自分の欲望を満たしているのにそれに気づかない人。その自己矛盾に気づかず、自分が一番と思っている人。

そういう人を見ると、「四の五を言って、人のお金の上で胡座をかくのではなく、まずは自分で自分の暮らしくらい稼ぎ出せ」と思います。

大切なのは、自己肯定感。それは他者との関係性をきちんと結び、その中で生まれる、自分への肯定感です。

ずるした作文で、埼玉県の作文大会に入選し、朝礼で表彰された時。
あの時の賞状を受け取るに、受け取れないようなヒリヒリ感は、今も私の胸に残っています。

多かれ少なかれ、そうした、小さな傷や、闇を抱えて生きている人が、こんなにたくさんいるんだと。
この「言葉集」など見ると、実感します。

でも、この年齢まで生きてくると、実感します。
大切に丁寧に生きていればそれでいい。人生が楽しければそれでいい。
そうした言葉の根底には、そういう他者への励ましが添えられています。

血圧が急降下し、母が亡くなる数時間前、冷たい手で、私の手をにぎりしめ
「立派な人になってね。上から、ずっと応援してるから」と言ったので、大爆笑。
「立派な人になんかに、なれない。でも、精一杯、生きては行くからね。応援していてね」
それが、母との最期の別れの言葉でした。

こういう本を見ると、思います。
大丈夫。地に根を張って、しっかり生きてさえいれば、みんな、大丈夫、と。
自分を見つめ、勉強していく中で、真実を見る目など、ちゃんと鍛えられていきますから。
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