ちょくちょく原稿依頼をいただく雑誌から、今回依頼されたのが、2014年にノーベル文学賞を受賞したフランス人の作家、パトリック・モディアノ、唯一の児童書『カトリーヌとパパ』(講談社)です。
ジャン=ジャック・サンペの挿絵も、フランス的でステキです。
たぶんこうした原稿依頼でもなかったら、気づかず、読まなかった本だったかも知れません。
まだ掲載前ですので、ここでは詳細を書けなくて残念です・・。
そのモディアノの世界を、今朝の朝日新聞の「ニュースの本棚」で、敬愛する作家、『熊の敷石』の作者でもある堀江敏幸さんが書いています。
書き出しは、12月7日にストックホルムで、ノーベル文学賞の授賞式で行った短い講演のことから始まります。
「作家が人前で話すときに見せる極度のためらいを知っているフランスの読者は、当人以上に緊張していたことだろう。しかしモディアノは、わかりやすい言葉で練られた草稿を訥々と読みあげ、自身の文学的来歴と小説作法とをみごとに語ってみせた」
この堀江さんの文章を読んだだけで、私には、たった一冊のモディアノ体験ではありますが、その世界の魅力と不思議さが、立ち上がってくるような気がしました。
ノーベル賞というと、日本人3人の方の受賞が日本ではどうしてもメインの報道になっていますが、堀江敏幸さんが新聞にモディアノのことを書いてくれて、とてもうれしくなった朝です。