太陽光発電シニア

太陽光発電一筋、40年をはるかに過ぎたが何時までも興味のつきない厄介なものに関わってしまった。

化石社説再三再四

2020-10-17 07:44:18 | 社会観察
 ほぼ3年ごとに改定される日本のエネルギー基本計画は来年がその年にあたる。購読誌である大手新聞の社説に「電力の安定供給が前提条件に」と題して社の考えが載せられた。内容を読んで驚き呆れた。デ・ジャブゥどころか再三再四の内容である。弊ブログで7月4日の「化石社説」として一文を、9月26日は「とんでもないニュースが」と題して関連文を書いている。
 今回の社説も内容は過去と殆ど変わっていないので繰り返す必要はないのだがあまりに恣意的な文章なので問題点を箇条書きに纏めてみる。
・脱炭素化には再エネをどこまで増やせるかが焦点だ。問題はコストの高さだ。家庭や企業の電気代負担は年2・1兆円、1割以上増え家庭では年1万円近い。企業の国際競争力(電気代の製品価格への転嫁?)も低下させている。→→→FITによる賦課金を言っているが買取期間終了案件の貢献には言及していない。買取期間は家庭用で10年、その他は20年である。買取期間が終了してもシステム寿命は30年、40年と続く可能性は大で終了後は安い(買取価格)電力を市場に供給し続ける。コストを言う場合はFITの問題にすり替えることなくライフサイクルで論じるべきである。
・太陽光や風力は天候などに左右され、発電が不安定で需要と供給のバランスを取らないと停電するリスクがある。→→→9月26日の「とんでもないニュースが」はIEAが今年上半期の日本の電力供給速報値で再エネが23.1%となり2030年の国の目標値22~24%をクリアーしたと報じたことだ。10年も前倒しで実現したがこれによる停電など聞いたことがない。
・電力の安定供給はますます重要になり再エネを補う電源を併用することが求められる。化石燃料ばかりに頼れないならば原子力の活用が最も有効だろう。→→→再エネを補うと言っているから安定供給が(天候変動による)不安定を補完するものだろう。としたら原発は出力調整が出来ず、小型を多数設置してONOFF制御をする電源でもないから最も相性の悪い電源である。唯一可能性があるとしたら、化石燃料の代替の一部を担うことだろう。特に石炭火力は削減が求められている。出力調整のできない旧い石炭火力を代替していくという論旨しか通らない。
 何故このような誤謬に満ちた社説がほぼ同じ内容で掲載されるのか。多分同一人物で周りの誰も意見が言えない化石脳化した権威が居るに違いない。福島の汚染水処理が緊迫する中相変わらず再エネを敵とみなして論陣を張る社説は何れ破綻をきたすだろう。全ての電源は得て不得手がある。事実・真実を伝えて行くことこそ新聞の使命である。


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