太陽光発電シニア

太陽光発電一筋、40年をはるかに過ぎたが何時までも興味のつきない厄介なものに関わってしまった。

難解なシンポ

2019-03-25 14:12:00 | 仕事に関すること

業界団体が京都大学との共催でシンポジウムを開催した。ホームページにプレゼン資料が公開され、一読したが大変格調高く、技術的内容もプロフェッショナル向きである。系統運用や新ビジネスの紹介など海外事例も引き合いに出し、最先端の動きを知ることが出来る。講師陣は民間企業の他主力は京都大学の先生方が多く流石と言うべきである。ただ、シンポの内容自体は知識欲旺盛な大学OBは興味を持ちそうであるが実業として系統の運用者や新ビジネスの担い手がどの程度いたかは不明である。どちらかと言うと学会に近い内容であるが、業界が毎年行っている一般向けのシンポに幾つかを挿入すれば、メリハリというか緩急織り交ぜた素晴らしいシンポになるのではないだろうか。利益追求の事業者にとっても立ち止まって考えるヒントになるように思う。一読するにもちょっと疲れるくらいの内容だから全編では事業者には少々荷が重い。シンポは誰に聞いて欲しいかで内容は変わるが象牙の塔内では勿体ない話である。発表者は自己紹介的な研究成果より、誰に聞いて欲しいかを考えるのがこの種シンポ(特に有料の場合)の責務であろう。

それでも過去を振り返ると時代時代に業界の知恵袋あるいは業界のオピニオンリーダー的先生方が現れた。私が最初に出会ったのは東大の後川先生。当時東大は宇宙用の太陽電池で最先端を走っていた。次が東工大の高橋先生と小長井、鯉沼先生、同時期に大阪大学の浜川先生、システムでは農工大の黒川先生と続いた。故人も含めて何れも大変立派な研究者であり、当時どうなるか分からない太陽電池研究に情熱を注ぎこまれていたことに敬服する。京都大学は東大の先生方が名を上げていた頃宇宙発電からマイクロウェーブで地上の送電する研究をしていたように思うがその後あまり太陽光発電については話題にならなかった。一時代を為したサンシャイン計画でこれと言った役割を担わなかったから目立たなかったのかも知れない。今回のシンポを見る限り次は京都大学がオピニオンリーダーになるような気がする。ただ、後川先生から浜川先生までのデバイス、黒川先生のシステムまではメーカーなどサプライヤーが特定され、諸先生方も大いに民間を鼓舞した。

しかしこれからの時代は誰がサプライヤーで消費者なのかハッキリしない。今回のシンポもビジネスサイドがの担い手が想像し難い。業界団体が事あるごとに強調してきたセクターカップリング(分野連結)の概念はその通りと思うがこれとて果たして誰が主役を務めてくれるかとなると些か悩ましい。次代のオピニオンリーダーがこちらが生きている間に現れることを望む。

驚いたニュースがあった。原発支援金が検討されているとのこと。一時話題になった原発版FITである。原発コストは安いと言っていた各委員会の先生方当然異論を挟むべきである。ブログでコストが本当に安いなら2020年の電力自由化後民間が競って原発に出資することが証拠になると嫌味で言ってきたが一体誰が安い照明をする。今更ゼロエミッション電源を標榜して支援金とは?FIT再エネ賦課金をあれほど国民負担増大と危惧してきた経産はどうした。まさか再エネに賦課金があるなら原発もゼロエミだから有って当然と言うか。財務、厚労、文科がワースト3省庁だったが3位が入れ替わった。国民を愚弄するのもいい加減にしろ。もうちょっとましな言い訳を考えたらどうだ。



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