無駄こそ文化

　2度も自己流で修理したクロダイ釣り用の竿がまた折れてしまった。補強したところではなく別の個所だ。元はと言えばタコが掛かって堤防の石の上まで引っ張り上げたがそこでへばり付いて力任せに引っ張って折れた。次は補強箇所近くで折れて今回は根掛りして引っ張ったら全く別の場所で力なく折れた。骨折も3回となると修理不可能だ。考えてみると竿はしなやかに全体が曲がって力を分散するようになっているが素人補強はそこだけ強度が増し別の箇所に負担をかけていたのだ。今夏はクロダイ釣りは諦めるか、思い切って投資をするか迷うところだ。
　釣りを止められないのは殆どの人が「惜しい」という経験を沢山して次こそはと思うからだろう。手元まで引き寄せながらタモで掬い損ねて大物に逃げられたとか、散々粘って相手が弱るよりこちらが先に弱って油断した隙に糸を切られたとか。
　一度だけ爆釣をした事が忘れられず何度も同じ場所に出掛けたり諦めの悪いのも釣り人の特徴である。費用対効果の点では魚屋で買う方が圧倒的に安い。工夫した仕掛けで釣れた時は満足するが同じ事は何度も続かない。高いルアーを根掛りで失う事は日常茶飯事。餌代の方が高くつくなど当たり前。船酔いするから船釣りは行かないが行った人に聞くとＴＶとは大違い。簡単には釣れないし船代の方が高くつく。趣味と実益を兼ねるなどあり得ない。そもそも趣味は実益など求めてはならないのである。小さな菜園を借りて野菜を育てている人も大量に採れてお裾分けなど有難いが労務費を考えれば元などとれていない筈である。趣味で実益が出るならプロになるべきだ。考えてみると趣味という無駄こそが文化の源泉であり人間だけが持つ余裕というものであろう。結果人間らしく投資をすべきか。投資をして損をすることもある。無駄金を使ってしまった？それを受け取った人がいるのだからそれこそ経済というもの。今後何に生かされることも無いだろう知恵を市民講座で習得、使うあてのない英会話教室に通うそれでもフィットネスクラブより遥かに教養的で余裕の表れだ。文化人と称される人？無駄の塊りです。
　やはり出て来た太陽光の発電コスト試算。天候に左右されるため補償のための調整火力が必要となるためそれを含めると最も高い電源になるとのこと。経産省試算とあるが一体どの部署が試算したのだろう。山ほど仮定が入っている筈である。調整火力は他が費用負担するのでその分差っ引いているのか。原発は定格発電で夜間の消費電力を上限とし負荷変動に追随しない前提か、変動再エネは正弦波の山の内側でのみ発電するミドル電源と考えるなら調整火力は必要としないのでは、それぞれの運転条件の変数が多過ぎて簡単には比較できない筈。蓄電問題に目途が立たない間はそれぞれの利益代表が永遠に続ける議論である。経済産業省試算？一体どこの利益代表？いやいや異論反論が出て来るのを期待しての逆張り試算？それでも高くて無駄な電源を使う人は文化人？