太陽光発電シニア

太陽光発電一筋、40年をはるかに過ぎたが何時までも興味のつきない厄介なものに関わってしまった。

珍しくコメントあり

2018-03-31 09:44:49 | 日記

我がブログに珍しくコメントが2通届いた。ブログ自体が独り言、つぶやき、初老の戯言、ボケ防止であり、一方通行を旨としいるのでコメントを元にやりとりする気は無いが、少々暇だから触れてみる。どちらもSBのサウジでの太陽光200GWに関してである。一つはサウジで発電して液化水素を製造して石油みたいにタンカ-で運ぶのか、水素は液化できるの?というコメントである。おそらくそうはならないだろうと思う。あくまで埋蔵石油を温存するために国内電力は火力でなく太陽電池で賄おうと考えているだろう。サウジで再エネで海水の電気分解で水素を製造しても日本にもってくるメリットはあまり無い。日本にも石油と異なり海水は沢山あるし、再エネだって少し日射量は少ないが日本で水素を作っても輸入品より安くなるだろう。水素の問題は輸送と貯蔵であり、水素は低温で蒸発し、しかも分子が小さくて小さな穴からでも抜けてしまう。日本に着いた時は空のタンカ-になっているかも知れない。さらに大きな問題は液化するためには高圧だけでなく-253℃という極低温が必要である。液化に要するエネルギーが膨大で仕方なく今は高圧ボンベが主に用いられている。勿論他の液体有機物の添加剤として貯槽する方法もあるが貯蔵量は小さい。少し前貯蔵量が膨大ということで水素吸蔵合金がブームになったが実用レベルにない。

実際にサウジが200GWの太陽電池を導入すると言っても必ず現地生産の条件がつくだろう。工場ごと技術移転である。油を売って欲しい物を買っていたため国産技術の乏しい同国では技術の国産化は急務である。そのベースには雇用の確保がある。取引の最初から技術移転の条件がつくだろう。果たしてどこがやるか、中国ならやるだろう。結果残念ながら200GWは日本の市場には成り難い。

もう一つのコメントはブログがSBの偉業を礼賛していると読まれたのだろうか。SBの事業のやり方を批判するようなコメントだったが、ブログは構想の雄大さから大風呂敷だとは言えない、ある意味力のある会社であると言う事を書いた。会社の経営方針を云々するほどの知識は持ちわさせていない。遥か昔、孫さんが通信事業を始めようとした頃、相談に来たという話を本人から聞いたことがある。事業意欲が強すぎてちょっと危ない感じがしたという印象だったとのこと。世の中には常人には計り知れない事業意欲、ある意味才能だが、を持った人が偶に居る。それが今や巨大グループを作りあげた。その経営手法をトヤカク言えるほどこちらは経営の才能は無い。批判の中に、相手のキャッシュフローをあてにして買収をし利ザヤを稼ぐと言っていたが言葉の使い方に少し違和感がある。キャッシュフローは収入と支出から手元に残る預貯金を計算する会計であり、言わば現在の企業の体力を測る(健康診断のようなもの)ものであって「あてにする」という表現はあてにならない。サウジに200GWの投資をして向こう何十年間かのキャッシュフローを計算して投資の善し悪しを判断することはあるが、これはあくまで費用対効果のためであり、あてにするとは言わない。

水素の話が出たがその昔、水素の権威であった横浜国大の故太田時男先生から色々教えて貰ったことを思い出す。また、中国メーカーの買収話にちょい噛みした経験もありM&Aについては多少勉強もし、キャッシュフローが何たるかも分かっているつもりである。今回のコメントは多分私の経験は知らない人だろう。知り合いなら書かないコメントである。ただ、知らない人がブログを読めばこういう感想もあるのだという大いに勉強にはなった。ツイッターじゃなくブログを使っているのは少しでも丁寧に書こうと思ってのことだが、つい端折ってしまう。やはり毎日となると舌足らずは否めない。またブログの話題が四方八方に散らばっているのに良くコメントが書けるものだと感心もする。独り言とは言いながら読者が居るのは有難いことだと思わなければならない。その人の時間をつぶしてしまっているのだから。