太陽光発電シニア

太陽光発電一筋、40年をはるかに過ぎたが何時までも興味のつきない厄介なものに関わってしまった。

米英で起こる事は

2016-11-13 08:24:01 | 社会観察

日本でも必ず起こる。良く言われるようにインターネットの急速な普及に依るところが大きい。英国がEU離脱を決めた時、アメリカの大手マスコミの予測に反してトランプ氏が勝利した時、韓国で大規模デモがリーダー(扇動者が不在にも拘わらず)が行われたとき、インターネットやそれを使ったSNSが大きな役割を果たしたことは容易に想像できる。私が若いころは新聞は大人の読む物で子供が読んではいけないものと思っていた。ある程度歳が行くとそうでは無いと気付き、社会に出てからは常識として読まなければならないと感じるようになった。ところが会社の若い部下で新聞を購読していないものが随分増えたと気付いた時、こいつらは何処から情報を得ているのか、聞いて見るとインターネットである。そして新聞が常識、良識を与えると思うのは間違いだと思いますと言う。ネット社会では様々な意見が飛び交う。若者はその中から共感できるものを拾い出す。我々のように新聞やTVが唯一の情報源である時代と様変わりしている。確かに大手新聞やTVがオピニオンリーダーではなく、限りなく業界紙や機関紙に近いことは歳とともに分かってくる。新聞を読まない=常識に欠けるという考えは最早過去の遺物である。米英はそこを見誤った。例えば日本でもネットを利用し若者が投票をし易い選挙になれば(守旧派大手マスコは情報漏洩などセキュリティー上のリスクの大キャンペーンで反対するだろうが)結果は自ずと違ったものになる。

新聞を読まない世代、TVを見ない世代が社会のリーダーとなった時世の中がどう変わるのか、今のリーダー達はどう考えているのだろうか。そういう時代は必ずやって来る。アジテーターがメガホンで騒がなくともデモの参加者はネットで知って静かに集まって来る。広辞苑を開かなくとも難しい漢字が書ける、大そうな百科事典を(あったなあ、昔ブリタニカブームが)狭い部屋に飾る必要などない。分厚い英語の辞書も必要無い。そんな時代は既に来ている。何時までも何かの盟主で居られるわけがない。と訳知り風にモノを書くが明日は朝刊が休刊と知ると明日の朝は何から始めようと迷う、そう私の世代が完全リタイアーしないと世の中変わらない。もし、80歳まで生きても一票を持って、年金生活者でありながら労働条件の改正にまで投票するぞ。

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古田常務は「三原社長が50%アップを引き受けると言った時、まだ何処の販売店にも話してはいないが、やはり纏めなければならないのでしょうねと言うので少し待ってくれと言っておいた。販売店回りを終わった時点で三原社長にはその必要は無くなったと丁寧にお断りをした。少なくとも私が三原社長と会う前に手紙が届いたことを思えば、三原社長の口から何処か販売店に流れたと言うことは無い。まして社長自らが書くはずは無い。ただ、販売店ではないが内に居た藤木君が他社の名刺を持って砥粒の売り込みに来た時、50%も供給量が増えるから必要無いと断ったそうだ。あの藤木君がライバル会社に移っていたというのは驚きだが、50%が他社参入の防波堤になるとは思ってもいなかった。これが怪我の功名というやつかね。まあ向こうも色んな事情があって売り込みに必死なのは分からないでもないがこちらは正々堂々と商売をすれば良い。」と手紙の主が藤木であることは感づいているようだった。がそれを詮索するより供給計画が元に戻り、販売店との関係も良好に進められることの方が重要であった。古田常務は「そうそう、三原社長からは娘が吉沢さんに色々お世話になってご迷惑をお掛けしていますと詫びられたよ。」と言うので吉沢は「世話なんてとんでも無い、ちょっとした悩みや愚痴を一方的に聞く、聞き役ですよ。」と言って砥粒事業部長のところにも来た手紙の件は自分から話す内容でもないので黙っておいた。古田常務は終始機嫌が良く、二人はちょっと安心したが、吉沢の心にはなお燻りが残っていた。