太陽光発電シニア

太陽光発電一筋、40年をはるかに過ぎたが何時までも興味のつきない厄介なものに関わってしまった。

誰が誰に報告したのだろうか

2016-11-22 09:22:14 | 社会観察

早朝、結構な揺れで目が覚めた。時間は5時59分。TVを点けると福島沖での地震。津波警報が福島県沿岸部に発令され、TVは「すぐにひなんしてください」の大きな表示と注意を促すアナウンサーの呼びかけが相当長く続いた。画面背景は現場近い港の定点カメラのままである。民放を見ると、自衛隊のヘリの映像やカメラは多くの港に次々入れ替わる。3.11の教訓で、まずは安全に非難をと言う事で平易な言葉で緊急性を呼び掛け、TVをつけるのが遅かった人にも周知できるよう長い時間、同じ映像と呼びかけを続けるというマニュアルなのだろうが、警報が出た以外の場所でも情報は得たいだろう。2画面にするとかもう少し工夫をして欲しかった。

津波警報や注意報の地域以外で直ぐ心配になるのは3.11の記憶がまだ鮮明にある原発である。津波で原発に被害が起こる前に地震ではどうだったのか、福島第一は工事現場であり耐震に万全とも思えない。その内モニタリングポストに異常は見られないと言う。如何に近くのモニタリングでも異常値が出た段階ではもう相当に拡散していると覚悟しなければならない。その時は一体どの地域にどのような非難情報を流すのか、マニュアルはあるのか、住民はモニタリング値が幾らになると危険だと知らされているのか。津波なら高いところに非難と言えるが、放射能の逃げ場は何処なのか。

そのうち福島第二の使用済み核燃料を保管しているプールの冷却機能が停止したという。直ちに温度が上昇することはなく、危険温度に至るまでは1週間くらい掛るとのこと。その後冷却は復旧したが、原発の状況については「東京電力によると今のところ異常の報告は受けていない。」と良く報じられる。これは一体誰がだれに報告したのか。冷静に考えれば原発の現場が東京電力の本社に報告し、マスコミが東電本社に問い合わせた事を放送している。つまり、「社内連絡」をそのまま公共の電波が流している。3.11の教訓は果たしてそれで良いのか、国民は第三者が介在しない社内連絡そのものを信用していない。

「異常の報告は受けていない」と言われれば多くの人は「異常は無いんだ」と思う。地震の一秒後でも「異常の報告は受けていない」と言う事はできる。安心させようと早目の情報を出そうとしていると思われるが「ただいま異常が無いかどうか調査中です。」と言う方がまだ正直である。これを聞くと「ああ、調査ができるくらいなら深刻な状況には至っていないな、十分調査してくれよ。」と思う。

それでも最低限、第三者の介在は必要である。規制委が間に入るとか。冷却停止問題でも、いち早く第三者が責任を持って発表すべきである。それにしても何時まで地震や津波の度に原発を心配しなければならないのか。規制委は「あらゆる天災に対して安全です。忘れて貰って結構です。」とは言わない。「世界一厳しい安全基準で審査をした。基準外の天災が起こったら安全ではありませんよ。」と言っているだけである。唯一の救いは震災の時には原発情報が比較的早く流されるようになったことか(真偽は別として)。3.11までがあまりに隠蔽体質に覆われて情報は出て来なかった。社内連絡をそのまま公共の電波に乗せるというのはこの隠蔽体質は完全に払拭できたと思っているのか、「いやあれは東電の言う事をそのまま事実として伝えただけです。」と責任逃れをするのか。繰り返すが、

「異常の報告は受けていない」と公共の電波で言われれば多くの人は「異常は無いんだ」と思う。