太陽光発電シニア

太陽光発電一筋、40年をはるかに過ぎたが何時までも興味のつきない厄介なものに関わってしまった。

大変なことにお隣さん

2016-11-01 08:48:47 | 日記

韓国で大統領が民間人に機密重要事項まで相談していたとの騒ぎが起こっている。一般人なら先輩、友人の間で相談しアドバイスを受けるというのは日常茶飯事だが政治の世界、それもトップとなるとそうは行かない。日本でも戦後の闇社会を描いた映画で首相が右翼の大物や傾倒している思想家に政治の相談事をする場面がよくあるが、事実であったとしても残る証拠は無い。今回は友人の古いパソコンからその痕跡を見つけたというスクープが発端のようだが、何故パソコンを調べることになったかの理由までは報じられてはいない。TVのニュース映像で見る限り、大統領が何か利権や私腹のためにやったようには思えない。多分、本当に相談であったような気がするが、そうであるなら職務に対する資質(脇の甘さ)が追及されるのだろう。ヒラリーさんのメールもしかり、昔と違って色んな媒体で痕跡が残る、それも完全にセキュリティで保護(隠蔽)できないことは覚悟しなければならない。

問題を起こした人に対する追及は韓国の方が日本に比べて厳しいような気がする。日本の場合は刑事事件にでも発展しない限り辞任すれば事が終わるという場面にしばしば出くわす。これは政治の世界だけでなく民間企業でも同じだ。違いは何か、マスコミの違いである。日本の場合は次々と新しい問題が取り上げられて世論を喚起するほどは長続きしない。多分、豊洲もオリンピック施設も1年後には話題にもなっていないだろう。マスコミの報じ方は意図的なものもあるだろうが、ニュースネタ自体が日本には潤沢にあることも理由にあろう。AKBの総選挙(ネーミングは如何なものかと思うが)と本当の総選挙、どちらがマスコミに多く取り上げられるのか、TPPが問題になっているがパリ協定への対応はどうするのか、太陽電池の大量導入による国民負担ばかり騒いだがベストミックス見直し議論は何処まで為されているのか、次々と話題が出て来るのでちょっとした過去も忘れてしまう。これは国民性?大きな意味での世論操作?何れにせよお隣の国である。政治的安定を望むのは隣人として当たり前のことである。

お隣さんと言えばアフガンから来た家族。上のお姉ちゃんは小学校の高学年だろうか。相変わらず遠くから見掛けた時でも元気よく、おはようとかこんにちはと声を掛けてくる。最近はヒジャブを被ることも多いが覘いた顔は相変わらずお人形さんのように可愛らしい。この家族以外に青年が二人同居している。多分寮として借りているのだろうが、青年二人は何時も俯いて歩いている。朝は弁当らしきものを抱えて出掛ける。言葉が出来ないのか、余程の事情があるのか分からないが、可愛い娘さんが平和な日本で暮らせることを願うばかりである。感心するのは毎日決まった時間に小学校に行くが、お母さんは玄関まで見送りなどしない。以前の日本人家族は母親が見送りどころか道の角まで出て行って通学する息子を見送っていた。厳しい環境を知っている親は自然と子供の自立を促しているのかも知れないなどと想像してしまう。

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藤木部長本人に間違いない事は分かったが話の内容までは分からなかった。これ以上この話を続けることは不自然であった。「少し早いけど私たちもお昼にしましょうか」と言って三原ひとみは弁当を広げ出した。おせち料理のような3段重で内容も豪華なおせち料理に優るとも劣らない見栄えであった。「ええっ、これお母さんと二人で作ったの」と驚くと「勿論、と言いたいところだけど半分は買い物」と正直なところを言った。それにしても二人で食べきれる量ではない、もしかしたらもう少し大人数で出掛けると言って出てきたのかも知れないと吉沢は思った。吉沢はせめてピクニックらしくザックの中に缶ビールを4本入れてきた。それを取り出すと彼女は「私あまりお酒は飲めないんです。多分缶ビール1本で酔っぱらってしまうと思うんですけど吉沢さん、おぶって連れて帰って貰えます?」と甘ったれた冗談を言いながら、それでも弁当を摘みながら1本を飲み干した。目尻のあたりが少し桜色に変わった。吉沢は父親から頼まれた彼女のアメリカ行きの目的をそれとなく聞いてみようと思った。

「ところで今度アメリカに行くんだって、観光?」と惚けて見せた。

「あら早耳ですね、休暇届けを出す時に友達に喋ったことがもう伝わった?」と彼女は父親から言われて探りを入れられているなど露知らず「1年間もアメリカに居たので行きたい所は大体周ってしまったし、観光なんかではないの。語学留学中に親しくなった向こうの友達に会うつもり。」とボヤかして答えた。

「いいねえ、アメリカ人に友達が居るなんて羨ましいよ。僕なんか日本にも友達はあまり居ないのだから。インターナショナルの世代かあ。」と吉沢は古めかしい表現で気軽にアメリカに行くと答えた彼女を遠い世界の人間かのように感じた。暫く間があって、三原ひとみは嘘をつくことに耐えかねたのか、

「友達に会うことも目的だけど、本当は彼と会って確かめたいの。目的も言わずにアメリカに行ってしまってこのままだと私はどうすれば良いのか。」俯き加減でボソボソと呟いた。