太陽光発電シニア

太陽光発電一筋、40年をはるかに過ぎたが何時までも興味のつきない厄介なものに関わってしまった。

レガシーと総裁任期延長

2016-11-02 09:46:15 | 社会観察

オリンピック施設問題で日本水泳連盟が「我々は決まった(施設)で戦うだけで、何処の施設が良いとかコメントする立場にない。」と言ったという。自民党の総裁任期延長採決で石破さんが「プレーヤー(候補者)がルールづくりに口をだしてはいけない。どんなルールであれきちっと戦う」とコメントした。何だか似ている。有利、不利はプレーヤー皆同じ条件と言うことか。もし、安倍さんの人気が継続していても任期の延長がなければ替わる訳だからライバル石破さんにとっては延長は賛成は利が無いと思っていた。邪推であった。人気があればそれを国民が善しとしているのであってルールで縛ることもないだろう、任期途中の退陣だって有り得る。筋は通っている。

横浜アリーナが候補地となっている競技のトップが「レガシーなんていうのは心の問題である。」と発言する姿がTVで報じられた。おいおいと言う感じである。この人は高校の先輩であり他の競技で強いリーダーシップでそれなりの功績を残した人である。情けないかな裸の王様感が拭えない。IOCが重要にしているテーマが「オリンピックを契機として社会に生み出される持続的な効果、特にポジティブな影響」をレガシーとしている。今レガシーという言葉が施設について使われるが当然後世の人が維持管理費で汲汲することの無いことを含んでいる。オリンピック後の施設の利用価値を言っているはずである。維持管理費も捻出できず、朽ち果て風化した施設を見て「ああ、ここであの華やかオリンピックが開かれたのだ、と心の中で過去に思いを馳せるという意味ではない。」もう少し慎重に発言しないと過去の栄光が無に帰することを後輩としては心配している。

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時間は4時近くになり辺りは少し暗くなりかけていた。夕方で暗いだけでは無かった。急に雨雲が張り出し、かなり強い雨が降ってきた。雨具の用意はなく、二人は急いで帰り支度を始めたが、雨の止む気配は無い。近くに座っていたアベックが「この傘良かったら差し上げます、もう1本持ってますから。」とコンビニで売っているようなビニール傘をさし出した。吉沢は遠慮なく借りることにしてひとまず大木の下に避難した。なるべく三原ひとみの方に傘をずらして掛けたが雨は容赦なく肩や背中を濡らした。息遣いが分かるほど寄り添ったが、酔いが冷めてきたのか彼女は「寒い」と言いだした。駅までは小一時間歩かなければならない。雨は本降りになって来た。その時彼女が途中にホテルがあったからあそこで雨宿りしましょうと言い出した。昔この近くに大きな宗教団体の施設があり、全国から信者が集まってくるための宿泊施設だった。宗教団体の施設が移転した後もこの宿泊施設はホテルに改造されて今でも営業している。観光地にありながら旅館というより宿泊料の安い若い観光客向けのビジネスホテルのような造りだった。河原からは歩いて10分も掛らない。吉沢は取り敢えず濡れた服を何とかしなければ本当にお嬢さんが風邪をひいてしまうと気になった。吹き込む雨に濡れながらホテルに着くと、三原ひとみは「ここって休憩することは出来ます?」とフロントに尋ねた。アベックが休憩と言うのは別の意味があるのだろうが、三原ひとみはそんな事など頓着している風は無い。それともこの類に余程慣れているかのどちらかである。フロント係は「申し訳ございません、宿泊のみですし、今は観光シーズンのため満室でシングル一つなら用意できるんですが。」と完全に目的を勘違いして答えた。吉沢は「いえ、雨に濡れて困っていたので、服を乾かしたいと思ったのですが、シングル一つで構いません、彼女でお願いします。」と答えた。三原ひとみは遠慮したが明日は日曜日だし泊って困る事は無かった。「私の方は少し服を乾かした後帰りますから。」と言うとフロント係は怪しい者でも見るかのように部屋の鍵を渡した。「家の方には自分で連絡を入れて心配させないように、僕は少し乾いたらさっきの傘で駅まで歩いて帰るから。」と言うと三原ひとみはさっきでの殊勝な態度は何処に行ったのか、取り敢えず冷えた体を暖めるためにシャワーを浴びると言って服を脱ぎ始めた。ビジネスホテルのユニットバスのようなもので脱衣場など無い。三原ひとみは何の衒いもなく脱ぎ捨てた。タオルで頭を拭いていた吉沢の存在など全く眼中には無かった。