ジローのヨーロッパ考

デンマークやドイツの農家に長期(?)滞在、体験したり感じたことを綴ります。

デンマークでの農場体験(8) <馬の蹄鉄交換を・・・>

2014-02-11 17:54:14 | 日記
馬にまつわる追加のお話です。5月初旬のある日の朝、ホストである農場の奥さんが私に言いました。今日おもしろい人が来るから見たいか?と。私が興味を持つのではないかとの推測で声を掛けてくれたようです。それ以上の説明はありませんでしたが、デンマークに関することであれば何でも体験したいと考えている私は「見てみたい」と答えました。

家畜たちへの給餌を終えて室内で休憩している頃、奥さんが声を掛けてきました。おもしろいことをやっているから馬小屋へ行ってごらんと。何かわからないけれどとにかく馬小屋へ行きました。すると1頭(当時は全9頭を保有中)の馬がつながれており、側に一人の女性(30代後半?)が何かの準備をしています。英語で挨拶だけを交わした後、私は何が始まるのか興味津々で近くに立ったままで様子を見ていました。

その年、5月初旬のデンマークは雪がちらつくこともあったので日中の気温は一桁台であったと思います。にもかかわらず、その女性は半ズボン(バーミューダのような)姿で膝から下は素肌丸出し、普通なら寒さを感じるのではないかの出立ちです。それになめし皮の前掛けをしています。馬に声を掛けながら、時折、馬の顔や胴体をなでたりしてスキンシップを図っているかのように見えました。

そして、馬の下にもぐりこみながら馬の脚(前脚)を抱きかかえて自分の膝の上に乗せ、蹄鉄の交換を始めたのでした。現在ついている蹄鉄をはずし、伸びている爪をニッパのような爪切りやナイフ状のものを使いながら削って行きます。さらにヤスリで爪の形を整えています。

真剣に作業している最中なので声掛けは出来ません。次に新しい蹄鉄をあてがい釘を打ち込んで爪に固定して行きます。私は内心、釘をあんなに打たれて爪は(脚先は)痛くないのだろうかと思ったものです。

作業中に気が付いたことがあります。女性はかがみこんで作業しているので背中側のズボンと上着(Tシャツのような)の間に大きな隙間ができていて素肌が出てしまっています。そしてそこには結構大きなタトゥーが見えています。文字ではなくて何かの模様のようですが何かはわかりませんでした。やるもんだな~と妙に関心してしまったものです。(デンマークではあちこちでタトゥーをしている人を見かけました。)

4本の脚を全てやり終えて一段落、私は声をやっと掛けることが出来ました。蹄鉄の交換は原則として8週間毎にやっているそうです。デンマーク全土にペット(乗馬用)としての馬は相当多いようですが、前年2011年の1年間で1万頭は減ったと嘆いていました。

私は馬の蹄鉄交換作業を見るのも初めてなら、その作業を女性がやっていることにも驚いた次第です。さらにこの女性の服装やタトゥーにも正直驚きました。でも、詳しくは別の機会に書きたいと思いますが、女性が活躍する場面が多いし、そうした環境が国民の意識の上でも醸成されていると、この現場を通じて感じた次第です。

ちなみにこの女性は遠くから来たわけではなく10km程離れたところに住んでいるとのことでした。また、8週間後には再度見れるかもと思っていましたが、理由は分りませんが6週間後に再び来ていました。その2週間後にも来ていたので計3回は見かける結果になった次第です。

一番感心したのは女性がこうした職業に就いていることそのことでした。




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