ジローのヨーロッパ考

デンマークやドイツの農家に長期(?)滞在、体験したり感じたことを綴ります。

ドイツのクライン・ガルテンを再考(その1)

2014-09-27 17:36:54 | 日記
2013年のドイツ滞在の目的の一つに、クライン・ガルテン(市民菜園)の実態を確認することもあり、それは同年10月13日にミンデンを訪問する中である程度は確認できたのでした。そしてそれらの概要については既述済みです。しかし、もう一段掘り下げたレポートをしてみたいと思います。

先ずは、ミンデンのクライン・ガルテンに関してです。これまで未紹介の写真等をご覧下さい。最初はGoogle Earthで同エリアを俯瞰したものです。
(出展: Google Earth、ミンデンのクライン・ガルテン付近)
中央のゴチャゴチャしているエリアがそれです。およそ200区画ぐらいあると思われます。(正確にはカウントしてません。スミマセン)
そして、赤い線は本レポートには直接的には関係ないのですが、私が歩いた軌跡を示しています。左上部付近にミンデン中央駅があります。駅からガルテンまでは歩いて10分はかからなかったと思います。何れにしても、クライン・ガルテンの区域は居住空間からさほど遠くない場所に設けられているのです。

(写真: メインゲート)
契約者のみが鍵を保有していて管理区域に入場できる仕組みです。メインゲートの他にも複数のサブゲートが道沿いに設けられています。

(写真: メインゲートの側に管理棟があります。)

(写真: 垣根越しに内部を撮影したものです。)
1区画は10m間口×20m(または30m)奥行きで広さとしては200~300㎡/区画のようです。後述しますが、他の都市のクライン・ガルテンでも区画サイズは様々ですが、10m×20mのタイプが多いようです。またラウベ(小屋)は、個々人が自由に建てているようで、サイズも形も色々です。
(写真: いくつかのラウベ)

(写真: サブゲート)

(写真: 内部)
見えている通路は、内部にあるものであって、私は立ち入ることは出来ないエリアなのです。
(写真: 内部)

(写真: 区画外の道路)
右手がクライン・ガルテンのエリアで、複数ヶ所にサブゲートが設けられています。

こうしたクライン・ガルテン(シュナイダー・ガルテン)は、農村地帯には必要がないものであり、比較的大き目の都市周辺にのみ設けられているのです。私の知る日本の中部地方にあるクライン・ガルテン(中山間地にある)や、都市近郊にある市民菜園とはかなり形態が異なると言って良いでしょう。

次は、現地に足は運んでいませんがミュンスターにあるもので、Google Earthで調べたものです。
(出展: Google Earth、ミュンスターのクライン・ガルテン)
環境先進都市を代表する一つのミュンスターです。区画サイズは10m×20mが多いようです。小さな家(四角)のように見えているのはラウベです。

次は、ハーメルンにあるものです。
(出展: Google Earth、ハーメルン)
右上はヴェーザー川で、映像の下半分に映り込んでいるものは大半がクライン・ガルテンです。区画サイズはここも10m×20mが大半のようです。また、ここは川沿いに設けられている例ですが、ブレーメン近郊では線路沿いに相当数のクライン・ガルテンがあることを列車から確認しています。居住空間には適していないような区域を上手に利用している感じです。

さて、区画毎の広さについてですが、ラウベや通路部分のスペースを除いたとしても、区画当り100㎡以上の畑地は確保できているでしょう。これだけの広さがあれば、個人で食す野菜やハーブ、花卉類は十分賄えるのではないでしょうか。

耕作機械や鋤鍬等の道具がどのように用意・管理されているのかは確認できませんでしたが、ラウベ(小屋)と自宅住まいがそれほど離れていないこととラウベのサイズが小さいことから、頻繁に使う道具類程度は自分のラウベに保管し、そしてそれを休憩に使うことはあっても宿泊することはなさそうです。この点では日本の中山間地にある宿泊可能なクライン・ガルテンとは異なるようです。

ドイツで確認できたクライン・ガルテンの内容は以上のようなものです。集合住宅等に居住する都市住民が、野菜作りや花卉栽培を楽しんだり、または、土や緑に触れることで日常生活をより豊かなものにする・・・こうした点が主要な目的になっているようでした。

さて、私も小都市の住人ですが、本年(2014年)から近在の100㎡(1畝)程度の畑を借りて、家内と二人でオーガニック野菜作りに挑戦しております。それにまつわるお話は次回にしたいと思います。
~続く~

(巻頭写真: ミンデン駅・正面側)






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