「サッカー文化フォーラム」夢追い人のブログ

1993年のJリーグ誕生で芽生えた日本の「サッカー文化」。映像・活字等で記録されている歴史を100年先まで繋ぎ伝えます。

スポルティーバ誌「保存版・本田の時代、サッカーに熱くなれた幸福な4年間」

2014年07月08日 23時19分47秒 | サッカー情報

手元にスポルティーバ誌、ブラジルW杯・特集号がある。特集テーマが「保存版・本田の時代、サッカーに熱くなれた幸福な4年間」

サブタイトルには「本田圭祐を読みつくす44ページ」とある。

内容はまだ読んでいないが、私は、心の中にあったひとつの霧が晴れた思いでこの雑誌を手に入れた。

ブラジルW杯で何人かの選手が「目標は優勝」と勇ましく宣言して戦いに挑んだものの、結果はグループリーグ敗退。

NHKと民放がコンソーシアムを組んで放送体制を組み、日本代表をCMに起用した映像も含めて、大会前に大いに盛り上がった結果の反動として、それなりのバッシングや潮がひくような静けさに包まれている昨今だが、日本代表が帰国した空港で、ねぎらいにも似た雰囲気があったことや、私自身も6月26日のこの欄で「本田圭祐選手、長友佑都選手、私(たち)は、ただ、ただ感謝しているから。」と書いたように、なぜか「まぁ、終わってしまったけれど、しかたがない」感もあるのだ。

では、それが何から来るものなのか。

6月26日の書きこみでは、「あなた方には十分、可能性を感じることができたし、優勝と広言することも、勝負に向かう人間が、自信なさそうではダメなのであり、仮にベスト8やベスト4を狙うには優勝を目指す気持ちと鍛錬がなければ資格がないという世界であることを、私たちは十二分に知っているから」そして、

「決して、ただの放言で優勝と口にしているのではなく、高い目標に挑戦する気概がなければ、世界の勝負に打って出ることなどできないということ」も知っているから、と書いた。

それだけでは、言い足りない何かがあると思うけれど、それは何んだろう、と、漠然と思っていたところに、スポルティーバ誌の特集である。中身を読むまでもなく、タイトルが雄弁に物語っている。

そうなんだ、この4年間、まさに本田の時代であり、その本田自身が、自らの進化を、計り知れない努力と強靭な精神力で身をもって示し、その進化を背景に「ワールドカップで優勝をめざす」と日本代表を鼓舞し続けてきた、その4年間のプロセスこそが、私たちに幸福な、サッカーに熱くなれた道のりをもたらしてくれたんだ。

私はスポルティーバ誌が、実に正鵠を射たタイトルをつけたことは、同誌が週刊プレーボーイ誌の増刊号という位置づけであることと無縁ではないと思っている。

週刊プレーボーイ誌の若者への思いやりある眼差しこそが、本田圭祐がもたらしてくれた4年間の意味を的確に見据えられたのだ。

私は、本田圭祐のようなタイプの選手が、引き続き、また現れてくれることを願望するが、ほとんど、それは無理かも知れないとも思う。

よく比較されるのは中田英寿選手だが、本田圭祐がこの4年間にもたらしてくれた「サッカーに熱くなれた幸福な」感覚は、中田英寿選手からは皆無といっていいほど得られなかった。

本田圭祐選手のような強烈なメンタリティと、有言実行の生きざまを備えた人間は、そう出現するものではない。

4年後、8年後のワールドカップで、さらなる成果をもたらす日本代表の中核に、どのようなタイプの選手が収まるのか、あるいはまた、強烈な個性は出てこないまでも数人の力強い人間力を備えた選手たちによって、日本代表が牽引されるのか、今大会のベスト8まで勝ち進んだチームに見られる、いくつかのパターンが「ひな型」になるのかも知れない。

いずれにせよ、冒頭述べたように、スポルティーバ誌、ブラジルW杯・特集号「保存版・本田の時代、サッカーに熱くなれた幸福な4年間」は、タイトルそれだけで、私の心の中にあったひとつの霧が晴らしてくれた、価値あるタイトルだと思う。

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