中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

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第1,194話 物ごとを浸透させるためには

2023年12月06日 | 仕事

「社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

「+(タス)×(カケル)ヒビク 終わらない力の始まり」

これは先月開催された「令和5年度自衛隊音楽まつり」のスローガンです。ご存じの方も多いと思いますが、自衛隊音楽まつりは防衛省が毎年11月に日本武道館で行う各自衛隊音楽部隊の演奏会です。1963年に第1回目が開催されて以降、東京オリンピックが行われた1964年と、昭和天皇の病状が悪化し祝典行事等の自粛が要請された1988年、および新型コロナウィルス感染症の拡大防止が求められた2020年と2021年を除いて毎年実施されているとのことです。

今年も陸・海・空3自衛隊のみならず、在日米軍軍楽隊の演奏やマレーシア軍中央音楽隊がゲストで演奏したほか、防衛大学校儀仗隊によるファンシードリルや全国の基地・駐屯地の和太鼓チームによる演舞がありました。大変盛りだくさんの内容の演奏が冒頭の「+(タス)×(カケル)ヒビク 終わらない力の始まり」に基づいて行われ、私も観覧する機会がありました。

私をはじめ、このスローガンを聞いたのは当日が初めてという観客が多かったのではないかと思いますが、おそらく大半の観客の心にこのスローガンがしっかりと刻まれたのではないかと思います。と言うのも、私は当日自由席だったこともあり開演の1時間前くらいに会場に到着したのですが、それから開演までの1時間の間、そして2時間の演奏中に繰り返しこのスローガンを耳にすることになったのです。(ちなみに、今年はこれまで以上に人材の募集に力が入っており、このスローガンもその流れなのだろうなと思いました。)

はじめに聞いたときには「なるほど。そういうスローガンの基に今年の演奏会が行われるのね」という程度に軽い気持ちで聞いていました。ところが、10回くらい聞いているうちに徐々に「+(タス)×(カケル)ヒビク・・・」が頭の中で繰り返されるようになり、最後のころは主催者のナレーションとともに、私の中でこの言葉が繰り返されるようになっていったのです。

話は変わりますが、組織において理念やミッションやバリューなど様々な「パーパス」を掲げているところが多いかと思います。しかし同時に、「従業員に言葉が浸透しない、思いが伝わらない。どうすれば全従業員で共有することができるのか」という問題意識を持っている経営者は少なくないと思います。

今回、自衛隊音楽まつりのスローガンを繰り返し聞いたことで、あらためて「物ごとを浸透させるためには、繰り返し繰り返し伝えていくことが最もシンプルであり、かつ効果発揮を期待できる方法なのではないか」と感じました。

もちろん、ただ単に言葉を覚えたからと言って、それだけですぐに全従業員が同じ方向性に向かえるというものではないのは当然ですが、それでもまずは言葉を共有することがはじめの一歩なのではないかと、今回の経験を通して改めて考えたのでした。

それにしても、コロナ禍を経て4年振りに本格的に開催された自衛隊音楽まつり、マーチングのように様々なフォーメーションをしながら演奏するなど、以前に比べエンターテイメント色が強くなり、より楽しめるようになったと私には感じました。YouTubeなどでも視聴できると思いますので、見ていないという方はぜひご覧になってください。

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