中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

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第1,026話 雰囲気は直接に「空気」を共有してこそ感じられる

2021年06月02日 | 研修

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

研修やコンサルティングを担当させていただくと、様々な企業にその後も継続的にお邪魔する機会をいただくことになります。そうして訪問を重ねていくと、それぞれの企業が持つ独自の雰囲気や風土、文化、習慣といった「目には見えない空気のようなもの」を徐々に感じられるようになっていくことがあります。

 こうした中で、時々担当者から「うちの会社の雰囲気を一言で表現するとどうなりますか?」と質問されることがあります。一言でとなると「明るい雰囲気」、「元気よく挨拶をしてくれる人が多くて、風通しが良さそうな雰囲気」、「朴訥な人が多い」、「まじめで寡黙な人が多いけれど、芯が強い雰囲気」、「周囲の反応を気にせず発言する人が多くて自由な感じ」などと表現することができると思います。しかし実際には一言で表すことはなかなか難しい場合がほとんどというのが正直なところです。

 この「雰囲気」は、企業の内部にいる人にとっては意外と感じにくいものなのではないかと思います。外部から見る場合には相対的に別の会社と比較することができるため、内部にいるよりもかえって特徴をつかみやすいのではないかと考えています。

 そして、これらの「雰囲気」は昨日今日で完成したものではなく、企業がその歴史を重ねる中で少しずつ醸成され形作られてきたものです。逆に言えば一朝一夕でできたものではないゆえに、長所でも短所であっても簡単には変えることができないものであるとも考えています。

 さて、2022年採用予定の大学新卒採用については今後面接が本格化していきます。既に内定を得ている人が6割近くいるとのことです。その中の半数ほどはオンラインで面接を受けたために、一度も企業の担当者と直接会うことなく内定を得ているそうです。

 コロナ禍において、オンラインでの面接は非常にメリットが大きいですが、学生の方からは「社員の方々の雰囲気がわからないため不安に感じる」という声も上がっているようです。

 これに対して、企業の側もただ手をこまねいているわけではなく、何とか学生に会社の雰囲気をわかってもらおうとライブ配信を行ったり、社内を巡回して撮影した動画を紹介した

 りするなどの工夫はしていているとのことです。もちろん、これらの工夫によってある程度は企業の雰囲気をつかめるとは思います。一方で雰囲気は直接に「空気」を共有してこそ感じられるものでもあります。オンラインでは伝わりきれない部分が当然あるはずです。

 来年就職した際に、自分がイメージしていた会社の雰囲気ではなく、「こんなはずではなかった」というようなミスマッチがないようにと願わずにはいられません。

コロナ禍が収束するまでは致し方ないこととは言え、企業の側もすべてをオンラインで済ますのではなく、せめて最終面接のときには企業に足を運べるような、雰囲気を直接感じることができる機会をぜひ設けていただきたいと思っています。

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