パオと高床

あこがれの移動と定住

山本博文『日本史の一級資料』(光文社新書)

2006-08-30 10:50:43 | 国内・エッセイ・評論
歴史学入門の入門書といった感じ。「歴史の感覚」=「当時の人々の考え方や息づかいなどを肌で感じること」を磨いて欲しいという歴史学者の息づかいが感じられる本かもしれない。
史料を読み取る苦労と快感が紹介されている。また、その史料の読み取りから見いだせる武士の役目や江戸時代の身分制や暮らしの一端が書かれている。もっと知りたい人は次のステップへどうぞという新書らしい新書だ。
その人の関心でどの章が面白いかが別れるだろうが一章と五章が興味深かった。もう少し、史料と創作の比較が展開されていたらのめり込めたかもしれない。
やはり、歴史は科学なのだ。歴史観という言葉を誤用して歴史の科学性を妙な主観性に歪めてしまうのは困ったものかもしれない。もちろん、多くの主観性が全体を形作っていくものなのだろうが。


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