岩国矯正歯科クリニック(山口県)院長の矯正日記

院長が、健康・矯正に関すること、日々の出来事などを綴っています。

落ち込んだ気分の切り替え方法

2014-05-13 15:46:55 | 日々のこと
皇太子妃殿下の主治医と知られる大野裕慶応大学教授の著書<はじめての認知療法>を読みました。学術的な本ですけれども、自分の心をバランス良くコントロールしたと思っている方には一読を勧めます。

認知療法とは、うつ病や不安障害などの精神疾患の治療法で、日常生活でのストレスを和らげる効果があります。ここでいう<認知>とは、外界にある対象を知覚した上で、それが何であるかを判断したり解釈したりする過程>です。

うつ病に人は、自分に対して、また周囲との関係に対して、そして将来に対して、否定的に考えるようになった状態です。

例えば、認知(喪失)→気分(うつ、悲しみ)→行動(引きこもり、孤立)の悪循環。認知(危険)→気分(不安)→行動(回避)の悪循環。認知(不当)→気分(怒り)→行動(攻撃)の悪循環。

気持ちが動揺した時に瞬間的に浮かんでいる考えやイメージを<自動思考>とよびます。自分の見ている<事実>とは、自分なりの解釈でしかありません。別の人間が見ると、別の<事実>になってしまい、客観的な<真実>とは違います。

その解釈には<こころの癖>があり、思い込み・決めつけ、白黒思考、べき思考、自己批判、深読み、先読みなどに分類されます。この違いを作り出すのが、その人なりの価値基準で<スキーマ>と呼びます。前向きのスキーマと後ろ向きのスキーマがあります。

前向きのスキーマ(それに対比される後ろ向きのスキーマ)の例が面白いです。
<自分について>
自分は、時には失敗もするけれど人並みの実力はある。(自分は無能な人間だ)
自分は苦手な人もいるが、信頼されている方だ。(自分は嫌われ者だ)

<人々について>
ライバルも仲間のうちだ。(この世は弱肉強食だ)

<世界観について>
ウマがあわない人がいてもいい。(みんなに好かれないといけない)
人生、七転び八起き。(少しでも失敗したらおしまい)
夫婦は助け合うもの。(家事は妻の仕事)

人の心の動きは奥深く、コントロールに手を焼きます。自分なりの価値基準を磨き高めて、前向きのスキーマを持ち、できるだけ事実を真実近くに見抜く鑑識眼を持たねば、平常心は保てないということです。

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