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アドラー心理学による勇気づけ一筋40年 「勇気の伝道師」   ヒューマン・ギルド岩井俊憲の公式ブログ



おはようございます。アドラー心理に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

『内向型人間のすごい力 ー 靜かな人間が世界を変える』(スーザン・ケイン著、古草秀子訳、講談社+α文庫、840円+税)をテキストとした「内向型人間を勇気づける本」シリーズの5回目です。

内向型人間のすごい力
静かな人が世界を変える
(講談社+α文庫)
スーザン・ケイン著
古草 秀子訳
講談社

 今回のテーマは「内向型/外向型」とは誰が広めた類型論であるのか、また、我らがアルフレッド・アドラーは「内向型/外向型」のどちらに属するのか、の2つに絞ってお伝えします。

まず、『内向型人間のすごい力 ー 靜かな人間が世界を変える』の「はじめに」によれば、「内向型/外向型」という性格理論を世に知らしめたのは、1921年、カール・グスタフ・ユングが『心理学的類型』で次のように書いいてた、とされています。

内向型
・自己の内部の思考や感情に心を惹かれる
・周囲で起きる出来事の意味を考える

外向型
・外部の人々や活動に心を惹かれる
・周囲で起きる出来事に自分から飛び込んでいく

スーザン・ケインは、その後の多くの心理学者の考えたことをもとに次のように書いています。

内向型
・ゆっくりと慎重に行動することが多い
・一度のひとつのことの作業に集中するのを好み、すばらしい集中力を発揮できる
・富や名声などの誘惑に惹かれることは比較的少ない

外向型
・すばやく行動する
・すばやく、時には性急に決定をくだし、一度に複数のことをこなしたり、リスクをとったりするのも平気
・金銭や地位などの報酬を「求めるスリル」が楽しい

ユング心理学を日本に広めた河合隼雄氏の『ユング心理学入門』(岩波現代新書)によれば、「完全に内向とか、完全にないこうといった人は、(少なくとも正常者においては)考えることができない」とも書きながらフロイトとアドラーの対比を次のように書かれています。

ユング心理学入門―“心理療法”コレクション
〈1〉 (岩波現代文庫)
河合 俊雄
岩波書店

「フロイトは人間の行動を規定する要因として、その個人の外界における人間や事件を考えるのに対して、アドラーでは、その人の内的な因子、つまり権力への意志を重要視している。このように、同じ事象をみても、それに対する態度が異なると、考え方も、見方も変わってくる点に注目して、人間には異なる2つの一般的な態度があるとユングは考えた」

このユングが書いていること―「権力への意志」、英語では”will to power"、アドラーが頻繁に使っている表現では”striving for power and superiority”(力と優越を求める努力)― は、アドラーの内的な意志の取り組みを浮き立たせ、ユングが身近に接したフロイトとアドラーが内向型/外向型の着想のモデルになっていたことを語っています。

ともあれ、内向型/外向型の類型の創始者のユングがアドラーを内向型のモデルとしていたことは、内向型人間を勇気づけてくれるではありませんか。

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