ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。
暑い夏が続いています。
本日(8月16日)の新聞各紙では、菅内閣の閣僚の誰1人として靖国神社を参拝していなかったことが報じられています。
参拝しなかった理由は「靖国神社にはA級戦犯が合祀(ごうし)されている」からとのことです。
私が菅内閣でも(思想的に)一番まともだと思っていた野田佳彦財務大臣は、平成17年10月に出した質問主意書で次のように主張していました。
「すべての『戦犯』の名誉は法的に回復されている。『A級戦犯』と呼ばれた人たちは戦争犯罪人ではない。戦争犯罪人が合祀されていることを理由に首相の参拝に反対する論理はすでに破綻(はたん)している」
その野田氏は、戦後65年にあたる首相談話にも当初反対していましたが、これも結局、仙谷官房長官に押し切られてしまい、靖国神社にも参拝しませんでした。
ちなみに、A級戦犯には、8月13日のブログでも紹介した、サンフランシスコ講話条約の降伏文書に調印した時の外相の重光葵氏も加わっていることをご存知の人が少ないことに驚かされます。
彼はやがて、日本の国連加盟では日本代表を務めて出席し、その死に対しては国連が黙祷を捧げました。戦争犯罪人なら、こんなことを世界が認めるはずがありません。
私は、昭和期以降の歴史は、アメリカのウォー・ギルト・インフォメーション・システムによって検閲・歪曲(詳しくは『閉された言語空間』参照)され、さらには、中国・韓国などの外圧(中国による誇張は『「南京事件」の探究』参照)によって歪められているだけでなく、日本人自身による報道・言論によって国家としての自尊心をはなはだ損なうものになっていることを嘆かわしく思っています。
そんな日本人に対して「誇りと希望のある国を取り戻すために」書かれた本が『国民の見識―誇りと希望のある国を取り戻すために』(渡部 昇一著、致知出版社、1,500円+税)です。
この本は致知出版社編集部 係長の江口元浩さんから贈呈を受け、一気に読みました。
この本の内容を3点に絞って簡単に書いておきます。
1.「民主党は第2の社会党である」
民主党は、マニフェストにも書かれていなかった選択的夫婦別姓や外国人地方参政権を推し進めようとしている。このことは、家族共同体、地域共同体、国家共同体の弱体化・崩壊につながりかねません。
2.「保守の原点とは何か」
日本は(東京裁判ではなく)サンフランシスコ講話条約を締結して国際社会に復帰したことが保守の原点である。
ところが、1985年11月8日に衆議院外交委員会で社会党の土井たか子議員が「前の侵略戦争をどう思うか」という趣旨の質問に対して、外務省の大和田恒氏が政府委員として「日本は東京裁判を受諾して独立した」という趣旨を述べた。
講和条約には、日本は東京裁判の諸判決(The judgements)を受諾し、形の執行を継続するという第11条がついていて、これは、刑を受けた個人について言っているのであって、国家に対するものではない。
3.「歴史の歪曲を乗り越えなくてはいけない」
東京裁判でA級戦犯とされた人たちの罪状は、侵略戦争を共同謀議したというものだったが、日本を孤立化に追い込んでいった経緯は、東京裁判を強行した張本人であるマッカーサーが、1951年5月アメリカの上院の軍事・外交合同委員会で、日本が戦争に入って行った主たる理由はセキュリティ(自衛)のためであったと証言し、侵略戦争を否定している。従って、侵略戦争の共同謀議などは虚妄だった。
他にも書きたいことはたくさんあるのですが、このくらいにしておきます。
ご関心のある方は、『国民の見識―誇りと希望のある国を取り戻すために』の他に下の3冊も読んでみてください。
戦後の洗脳から目覚めますよ。
<お目休めコーナー> 酷暑の花②